長時間労働を防ぐ「働き方改革」や、コロナ禍で広がったテレワークなど、新しい働き方が求められている。

 そんななか、みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行などグループ6社の社員約4万5000人を対象に、今年12月から「週休3日・4日制」を導入する方針を明らかにした。対象は希望する社員のみ。週休3日制の場合、基本給は現在の8割程度、週休4日の場合は6割程度になるという。

 このニュースに対してネット上では、〈介護や子育てに活用できる〉といった肯定的な意見もある一方で、〈給料減るなら意味ない〉〈リストラの一種では?〉といった否定的な声も出ている。

 具体的にどんな経済的な変化があるのか、気になるところだ。人事ジャーナリストの溝上憲文氏はこう語る。

「子供が大学を卒業するのは平均的に55歳ぐらいで、こうした家族を抱えて給与が6割になったら家計はどうなるのか。残業代も稼げなくなるので、副業をしないと生活が難しくなります。そうはいっても稼げる副業が見つかるかというと、個人差がかなりあります。

 企業側は副業や介護などに時間が使えるといっていますが、週休4日導入の目的は明らかに人件費の削減。支店の閉鎖やAI導入による効率化などにより人員が余るので、人員を削減するかわりに労働時間を減らして人件費を削減するのでしょう」

 もちろん、働く側にとってメリットがないわけではない。働き方の柔軟性が進む中で、生活コストを下げる工夫もできるという。

「コロナ禍で時差通勤やテレワークも定着しつつあるので、さらに出勤日数が減るのなら都市郊外の広くて安い家賃のマンションに引っ越したり、近郊の実家に戻ったりして、生活環境を改善しながら出費を抑えることもできます。

 実家から通勤できれば、離職することもなく介護と仕事を両立させることも可能になる。定年後のセカンドキャリアに必要な資格を取るための時間も作れるし、郊外で農業を始めることもできる。新しいことを始める準備期間にするといいと思います」(同前)

 充実した時間を選ぶか、カネを取るか──サラリーマンにとっては、大きな転機となるようだ。社会保険労務士の北村庄吾氏が言う。

「今後、週休4日制の企業が増えるのは必至です。特に働き盛りのころ週休1日が当たり前だった50、60代のモーレツ世代は、時代が変わったということをまずは受け止めることが必要でしょう。1週間の仕事を終えて仕事仲間と飲み明かした“花の金曜日”も、週休4日とともに死語となってしまうかもしれません」

 かつてない“働き方改革”がやってくる。

※週刊ポスト2020年10月30日号