「60歳定年」が過去のものとなるだけでなく、定年後に「雇用延長」したり、「再就職」したりすることも当たり前となってきたこの時代。正しい選択をしないと、老後の生活が大きく崩れてしまう可能性もあるだろう。

 では、定年を機に退職して「再就職」を選択した場合、どんな仕事で収入を確保していくのが最適なのか。

 シニアの求人や待遇は大きく変わることが予測される。そこで本誌・週刊ポストは、シニア求人サイトで募集の多い職種の「収入」や「採用の難易度」、職種の「将来性」などを踏まえて、「シニア求人上位リスト採点表」を作成した。

 採点表の監修者で、『定年後も働きたい。人生100年時代の仕事の考え方と見つけ方』(ディスカバー・トゥエンティワン)の著書があるシニアライフアドバイザーの松本すみ子氏が指摘する。

「多くのシニアが挑戦できるように、最初から採用が少なかったり、高度な資格が必要な職種は除外しています。表を参考に定年後の働き方をシミュレーションしてほしい」

 仕事を選ぶ際に重要なのが「どの程度稼ぎたいのか」という点だ。働きながら年金を受けとることを想定すると、「年金+月10万円」が1つの指標になるとファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は指摘する。

「『在職老齢年金制度』で、64歳まで働きながら厚生年金を受け取る場合、『給料と年金の合計が月28万円』を上回ると超過分の半額の年金がカットされます。男性の受給額は約8万〜12万円程度なので、28万円を超えないよう『年金+10万円』稼ぐことを目標にする方が多い。

 しかし制度変更で2022年4月以降は、『給料と年金の合計が月47万円』まで年金はカットされないことになりました。今後は精力的に稼ぐためにフルタイムで働く方が増えるでしょう」

 採用ハードルの低さから人事ジャーナリストの溝上憲文氏が注目するのは、ビル清掃スタッフとマンション管理人だ。

「特別な資格が必要なく、シルバー人材センターが開催する講習会に参加すれば仕事を斡旋してもらえます。マンション管理人は若い人より年配のほうが住民対応が上手との理由でニーズがあり、ビル清掃スタッフも高齢者は真面目に取り組むからと求人倍率が高い。どちらもこれから10年、需要が続く職種です」

 マンション管理人は時給1000円台が多く、月20日程度、フルタイムでの勤務なら月収18万〜20万円が見込める。

 一方のビル清掃は同じ20日間程度の勤務でもマンション管理人と比べると収入と時間に“上限”がある。都内の清掃会社に勤める63歳男性が語る。

「時給は約1000円。勤務時間はオフィス始業前の朝7時から2時間半で、月20日働いて月収は約5万円です。時間帯の制約からそれ以上は稼げないのが難点ですが、朝少しの時間だけ働き、その後は自由に動けるので満足しています」

※週刊ポスト2020年11月20日号