人生100年時代の「年金」「相続」「終活」。妻たちが読んでいる女性誌には多くの「生の声」が寄せられている。なかでもお金の話とともに頻出するのが、「夫の家族」との関係だ。

 50代女性向けファッション誌「エクラ」(2019年1月号)はアラフィフ女性の心の叫びを紹介する。

〈義母からも実母からもなにかと頼られ、正直疲れます。遠方に住んでいるのに、「今週末来て」などと勝手なことをいうし。年をとって、ますますワガママになったみたい〉
〈義父母の存在がいや。いろいろあった末、十数年前から絶縁状態だけど、介護や相続の話が出たら、かかわることが出てきそうで、憂うつ〉

「レタスクラブ」(2019年4月号)は、夫の死後、法律相談所に妻から寄せられることの多いという相談例を紹介する。

〈義父母と一緒に暮らすのはムリ〉
〈義父母を扶養したくない〉
〈夫の家のお墓に入りたくない〉
〈姓を戻してリセットしたい〉

 夫と死別しても夫の家族との関係は続き、相続や同居、扶養などの問題が生じることがある。

 嫁姑関係など精神面のストレスだけでなく、夫の親族の相続争いに巻き込まれたり、義父母の扶養義務を負うなど、夫の親族との間にトラブルが生じるケースもある。

 解決策として記事が提唱するのは、「姻族関係終了届」の利用だ。「死後離婚」とも呼ばれる制度で、この届けに妻の氏名や亡き夫の名前などを記入して役所に提出すると、夫の親族との法的な結びつきを解消できるのだ。

 年金から相続、嫁姑問題まで、夫の死後を生きる妻が乗り越えるハードルは低くない。だからこそ、妻はリアルな視点で夫を亡くした後を見つめているのかもしれない。

 50代からの生き方や暮らし方を応援し、女性誌全部門で販売部数トップの30.5万部を誇る「ハルメク」の山岡朝子・編集長はこう話す。

「夫に対して“あなたが死んだ後のことが不安”とはなかなか相談できません。だからこそ備えておきたいという思いを多くの女性が持っています。私たちは少しでもその不安を解消できる誌面を作っていきたい」

 最近、妻が何を考えているかわからない――。そう感じる男性は、女性誌から“妻の気持ち”を学んでみては?

※週刊ポスト2020年11月20日号