コロナ禍で夫婦が共に過ごす時間が増え、離婚を考えるようになった人が増えているという。もし本気で離婚を考えているのなら、優位に成立させるためにも綿密な下準備が必要だ。夫婦でお互い納得したうえで離婚届を提出すると離婚が成立する(協議離婚)が、どちらか片方が合意してくれない、話し合いすらままならないなら、家庭裁判所に調停を申し立てることになる。そこでも合意に至らなければ、審判や訴訟となる。

 その際には、「配偶者に不貞な行為があったとき」「その他婚姻を継続し難い重要な理由」など、「法律上の離婚原因」にのっとった理由が必要だ。

不貞の決定的な証拠はホテルの出入り写真

 法律上の離婚原因には、それを示す証拠が必要になる。大切なのは、状況証拠ではなく、言い逃れができない“確実な証拠”を集めることだ。それはどんな証拠なのか。夫の不貞が原因で離婚を望む女性のケースについて、総合探偵社MR代表・岡田真弓さんが解説する。

「不貞が疑われる場合、夫のスマホに愛人との待ち合わせや、性行為をにおわせるやりとりがあっても、“言葉遊びだった”“実際には会っていない”などといくらでも言い逃れができますし、相手も特定しづらく、証拠としては弱い。夫と愛人の顔が写り、2人が宿泊施設などに入り、そして出てきた写真や滞在時間がわかる記録があれば、第三者が見ても認められやすい証拠となります」(岡田さん・以下同)

 ホテルへの入りと出の写真撮影は、素人が撮るには難しいため、探偵社に頼むのが効率的だ。調査費用は、調査の回数や期間にもよるが、数十万円程度かかる。大金だが、証拠は確実なものを押さえておかないと、後でもめる原因になり、慰謝料にも響く。

「不貞行為とその相手がわかった日から3年以内は慰謝料が請求できます。夫からは200万〜300万円、愛人からは200万円が相場ですが、不貞の期間が長期にわたるほど精神的苦痛が大きいとみなされ、金額も多くなります」

 つまり、すぐに離婚しなくても、3年以内であれば冷静に考えられるともいえる。

「3年間は冷却期間として、夫から生活費として婚姻費用をもらいながら生活し、有効期間が切れる間際に離婚を切り出すケースもあります」

DVなどは音声、動画、診断書が肝

 一方、DVや夫婦生活に影響が出るほどの浪費癖、飲酒癖なども、それを示す証拠が必要になる。音声や動画、診断書などが有力な証拠となりやすい。証拠の数が複数、かつ継続的な記録として積み重なるほど、証拠能力が上がるため、根気よく取り続けた方がいいという。

 好きで結婚した相手でも、調停や裁判まで進めば、双方を罵倒する泥沼の争いに発展し、精神的ダメージを受けかねない。だが、確実な証拠さえあれば、早々に解決する可能性が高まる。証拠こそ、離婚戦争下であなたを守ってくれる“お守り”になるのだ。

取材・文/桜田容子

※女性セブン2020年11月26日号