新型コロナウイルスの感染拡大は、大学生活にも大きな影響を与えた。各大学、オンライン講義を導入し、クラブやサークル活動を自粛せざるを得ない学生も少なくなかっただろう。そうした中で、一部大学では対面講義を再開させており、学生たちの集まりも徐々に復活しているようだ。

 実際に、学生の間で飲み会の機会が増えていると語るのは、通称「MARCH(マーチ)」に含まれる有名私立大学の学生・Aさん(21歳・女性)だ。

「言いづらいですが、私のサークルのメンバーは5月あたりからカラオケ店で定期的に飲み会を続けています。緊急事態宣言中は飲食店も閉まっていましたし、世間の目もあったので居酒屋に行くことは難しかった。なので多くの学生がカラオケ店で飲み会をしていました。セルフレジを導入しているカラオケもあるので、店員さんと接触する機会もほぼない。男女混合、5〜6人でカラオケに行き、そこで飲み会をするというのが恒例です。

『新入生はコロナのせいで入学式がなくなり、友人もできずにかわいそう』という声もよく聞こえてきましたが、私のサークルでは1年生たちともカラオケ飲み会で交流を深めていました。『熱もないし、カラオケは自分たちだけの空間だからコロナには感染しない』と思っている友人が多いです」(Aさん)

 Aさんは記者に対して申し訳なさそうな様子でこう打ち明けた。しかし、コロナ禍でカラオケ飲み会をする学生は、Aさんたちだけではない。別の私立大学に通うBさん(20歳・女性)の周りでも、カラオケ飲み会は頻繁に行われているという。

「サークルのメンバーや学科の友達とカラオケ飲みはよくやりますね。街ではマスクをしていますが、カラオケでは歌うしお酒を飲むので、もちろん誰もマスクはしていません。カラオケを選ぶ理由は『歌を歌いたいから』ではなくて『コール曲で盛り上がりながら飲みたいから』です」(Bさん)

 Bさんがいう“コール”とは、お酒を飲む際に使われる掛け声のようなもので、最近ではYouTubeなどでも人気コンテンツとして知られている。昔から学生の飲み会には付きものだが、現在ではただ掛け声を発するだけではなく、J-POP曲の替え歌コール(通称:飲みソング、一気ソング)が流行っているのだという。

「たとえば定番だと、大塚愛の『さくらんぼ』に合わせて“すーいすーいすいすいすい、○○飲まなきゃ嫌だっちゃ!”と歌いながら、次に飲ませたい人を指名していく感じです。あとはサカナクションの『新宝島』に合わせて、“次”に飲む人をどんどん指差し指名したりします。オレンジレンジの『イケナイ太陽』もコール曲としてよく歌っています。

 先輩が歌っていて覚えることもありますし、今ではYouTubeにも紹介動画がアップされているので、それを参考にすることも多いです。友達やサークルのメンバーと一緒にYouTube動画を見て、実際にカラオケで実践するみたいな(笑い)。コロナでもカラオケ店はやっているので、昼にZoomで講義を受けてから、『じゃあ、何時からカラオケね!』みたいな感じで集まっていました」(Bさん)

 もちろん、学生みんながみんな、コールを叫びながら酒をあおっているわけではないだろう。実際、コロナ禍でのカラオケ飲み会や、学生同士の集まりに疑問を感じている学生も少なくない。

 ただ、新型コロナの感染者数が再び増加に転じ、カラオケでのクラスター(集団感染)事例も報じられる中で、「カラオケなら外部と遮断されているから安心」と考えて飲み会に興じるのは、逆にリスクの高い行為と言えるかもしれない。それ以上に、コールに合わせての一気飲みは急性アルコール中毒を招く可能性があり、最悪の場合は命を落とすケースもある。羽目の外し過ぎにはくれぐれも注意してほしい。