新型コロナウイルスの影響もあり、家計に不安を持っている人も多いはず。そんななかでも家計簿は効果を発揮できるのだろうか? 日本一売れている家計簿として11年連続で完売している『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2021』著者の細野真宏さんが、実際の読者に、話を聞いた。

『家計ノート』で支出の意味が見えるようになり、支出の削減に成功。年金生活でも貯蓄を取り崩さずに生活できるようになったという関西在住のMさん(69才)の節約成功の秘訣は?

貯める秘訣【1】数円の安さを追わず足元を

Mさん:買い物が怖いのは、「ついつい買い」ですよね。以前は数円の安さとかでも動いていましたが、『家計ノート』でベースのお金の流れを見るほうがずっと大事だと気付きました。小さなお金に振り回されるんじゃなくて、大きなお金を見直したほうが、ずっと家計管理は上手くいくんです。例えば、4月は1年分の生命保険料とか払う時期なんですが、私がちょうど70才になるんです。それで、今までは11万円くらいだった保険料が20万円になるって通知が来たんです。

 でも今は、20万円で入院したって、すぐに出ろ出ろって言われてしまいますし、そんなに払ったほど見返りがないから、いっそのことやめたんです。『家計ノート』を使っていると、ちゃんと「年間の収支一覧表」で毎年のお金の流れが分かるようになっているんですよね。だから「あ、このシーズンだな」と分かるから、保険料などを知らぬ間にポンと引かれる前に判断がつくんです。

細野:それはスゴい判断力ですね。約7割の人たちは、自分がどんな保険に入っているのかも把握できていないのが実情なのに(笑い)。

Mさん:スーパーの買い物は1円とかを気にしているのに、どうして保険とかの大きなお金のことは考えずにいられるのか、私は不思議なんですよ。だって、同じ支出なのに。

細野:その通りなのですが、どうも「お金の話は難しい」という思い込みが世の中にあるようなんですよね。そこで、『家計ノート』では、毎週のコラムや巻末の解説コーナーで、いま知っておくべき最新の知識をできるだけ多く紹介しているんですよね。

貯める秘訣【2】支出に「なぜ」と問いかける

Mさん:あの解説は本当に分かりやすいし楽しいので役に立っています。ただ、そもそも自分の大切な家計を守るためなんだから、支出の金額の意味を比較したりして考えるのは自然なことだと思うんです。例えば、主人が後期高齢者になったから、国の保険料は安くなりますよね。そこで、どのくらい安くなるんだろうと楽しみにしていたんです。でも、実際には前に払っていた金額とほとんど変わっていなかったんです。それで、市役所に電話して聞いてみたんです。何かの間違いではないですか?と。そうしたら「その時の息子の収入が多かったから」という原因が分かったんです。だから、息子に相談し調整してもらいました。

細野:いや〜、Mさんの変わりようはスゴすぎますね。『家計ノート』をつける前は、支出の区別もついていなかったりしていたのに、もはや一流のファイナンシャルプランナー級ですよ(笑い)。ひょっとしたら元々、優秀だったのかも、ですね。

Mさん:いえいえ、学歴は高くないですし、優秀とかではないと思います。でも『家計ノート』のおかげで視野が広がったのはあると思います。いろんなお金の流れがはっきりと整理されて見えるようになったので、本当に生活は大きく変わりましたね。

細野:視野が広がって、具体的に生活はどのように変わりましたか?

貯める秘訣【3】自分が楽しむために貯める

Mさん:まず、お金は自信をもって使えるようになりました。例えば、食費は3000円を超えないようにしたら、自然と調整ができるようになりました。そして、上手く残ったら、少し外出しよう、とか、良いお肉が買えるとか、気持ちに余裕ができました。

細野:なるほど、そもそも節約は、お金を貯めて、使うためにやるものなんですよね。まさにメリハリのあるお金の使い方が一番理想的ですね。

Mさん:そうなんです。これまでは自信がなく、流されるままにお金を使っていたんです。でもお金の流れがキチンと分かるようになったから、「これは自由に使っていいお金だ」と自信を持ってお金を使えるようになっています。ちょうど旅行に行っていたところだったんです。今はまたコロナで行きにくくなっていますが、コロナが落ち着いたらまた夫婦で行きたいね、と話しています。

細野:家計管理の成功で夫婦仲も良くなっていそうですね。

Mさん:そうかもです。前は家計簿を夫に見せられなかったのですが、『家計ノート』にしてからは、誰にでも分かるように整理して書くことができているので、毎月書いたら主人に見せているんです。そして、ちゃんと確認して「ご苦労さま」って言ってくれるのが日常に変わりましたね。

細野:それは、旦那さんも心強いですね。世の中では、家計簿っていうと「大変」とか「苦痛」というイメージなのですが、本当は家計管理ができるようになると、気持ちがラクになるんですよね。

Mさん:そうなんです。やっぱり「楽しい」んです、コレ。だから続くし、効果も出て、ゆとりと安心感を手に入れることができたんだと思います。

【プロフィール】
細野真宏(ほその・まさひろ)/日常よく目にする経済のニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録した。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、金融・経済教育の重要性を世に問い続けている。11年連続完売を記録中の『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2021』も発売中。

※女性セブン2020年12月17日号