「60才」というと、かつてなら職場を定年退職し、年金を受け取り始める年齢だったが、今では「60代はまだまだ若い」というイメージ。60才を過ぎても働き続ける人が多い。

 しかし、まだまだ若いとはいえ、徐々に健康が気になってくるのも事実。さらには、収入が下がってくるというケースも多いだろう。そこで、老後の生活における要となるのが、マネープランの見直しだ。ムダを省くことで大きく差がつく。『一生困らない自由を手に入れる お金の教室』(大和書房)の著者でファイナンシャルプランナーの森本貴子さんは保険の見直しをアドバイスする。

「若い頃に入った死亡保険を必要ないのにかけ続けているケースなど、惰性で続けている人がとても多い。まず、不要な死亡保険は解約しましょう。また、昔から入り続けている更新型の保険は年を取るほど掛け金が高くなる上、70、80代になると保障が切れてしまうものが少なくない。こういう場合は、終身タイプの保険に変えるべきです」

 長年、保険料を払い続けていると、そのまま同じ保険に入り続けた方がお得な気がしてしまう。しかし、時代の変化に合わせた保険選びをしなければ大損をするハメになる。

「私の母がまさにそのパターンでした。若いときに入った保険で、入院5日目からしか出ない医療保険に入っていたのですが、最近は医療の発達もあって入院日数がとても短いんです。結局、たった1日分の給付金しか出ず、『もっと入院してやればよかった』と悔しがっていました(笑い)。最近は入院一時金などのプランが充実していますので、その方がよっぽどお得です」(森本さん・以下同)

 高齢になると患う可能性が高くなるがんに備えて、がん保険は手厚いものに入り直すのもいい。一方で、安いからといって共済に入り続けている人はやめどきだ。

「がん保険は、掛け金も安く、保障内容も充実している掛け捨て型がおすすめです。最近は入院よりも通院での治療が長くなるので、通院治療中は毎月10万〜20万円を支給されるものや、がんと診断されたら一時金が100万〜200万円出るようなものがいい。一時金は使用用途が限られないので、自由に使えるのがメリットです。

 共済は掛け金が安いため入っている人が多いですが、肝心な70、80代になったとき、日額1000円しか保障金が出ないということもある。もっと好条件で安い保険を選び直すべきです」

 がん保険とは反対に、介護保険を掛け捨て型にしている人は要検討。最近は「ハイブリッド式」の介護保険を選ぶ女性が増えているという。

「投資信託のように、掛け金を積み立てながら、介護が必要になったら一時金がもらえるという『貯蓄型』の保険です。介護にかかるお金も不安だけど、これから年金生活が始まるから保険料を抑えたいという人にとって、貯蓄したり資産運用しながら介護に備えられるのがメリットです。50代の独身女性など、『老後に頼れるのはお金だけ』という人たちに、いまとても人気があります」

 年齢に合わせて保険を見直しながら、老後の生活に備えたい。

※女性セブン2020年1月7・14日号