劇団ひとりやハリセンボン、水卜麻美アナらが出演するバラエティ番組『幸せ!ボンビーガール』(日本テレビ系)。同番組は「お金がなくても幸せに暮らそう」をコンセプトに、貧乏でも幸せな人生を送る女性「ボンビーガール」を紹介する人気番組だ。

 これまで多くのボンビーガールが前向きに生きる姿が紹介されてきたが、同番組に違和感を覚える人もいるようだ。地方から上京して東京の私立大学に通っている女子大生・Aさん(21歳)が語る。

「女性の貧困が社会問題として深刻化しているなか、『楽しく明るくあたたかく』描くというタテマエで、その姿を見世物にして良いのでしょうか? 『イヤなら観なければいい』というのかもしれませんが、そういう次元の問題ではないと思います」(Aさん)

 自身も上京し、アルバイトに励みながら学費を捻出しているというAさん。現在通う私立大学では、学費や入学手続時納入金などを合わせて、初年度合計130万円ほどを納めなくてはならない。「これでも理系学部に比べれば、かなり安価なほう」だとAさんはいう。

「この番組内では、地方から大きな荷物やキャリーバッグを持って上京し、右も左も分からず東京の街に放り出され、家探しをする女性の『無知』が強調されていると思います。私自身、アルバイトしながら学費を払い、社会問題に関心を持って勉強している。そういう個人的な事情もあり、バラエティで『若い女性の貧困と無知』を結びつけるような演出の構図に対して、すごく違和感を覚えます」(Aさん)

 Aさんのように学費をアルバイトで工面し、奨学金を借りながら大学に通う女子大生は少なくない。そうした学生と日々接している大学教員・Bさん(40歳)も、次のように語る。

「番組では、上京したばかりの女性が右往左往する姿を、スタジオにいる芸能人が“バラエティ”として笑うという構図が常態化している。たとえば、入居してすぐにガスや水道、電気の開通、テレビのセッティングなどができない女性の姿などが“ネタ”にされます。

 都内で家賃5万円ほどのアパートの内装を見て、スタジオの芸能人が『その部屋すごく良い!』、『トイレ綺麗〜!』、『おしゃれな壁紙!』などと褒めそやす演出は、ちょっと悪趣味ではないでしょうか……。

 今、大学ではコロナ禍で学費が払えず、『それでも大学に通いたい』『休学費用の振込を延期できないか』と涙ながらに相談してくる学生もいます。なかには、不安そうな顔で、『性風俗に身を投じるべきか悩んでいる』と相談してきた例もあります。貧困は自己責任ではなく、社会の問題です。貧困女子をネタにするのではなく、現実の社会を反映させた番組作りをして欲しいです」(Bさん)

 もちろん同番組を見て、お金がなくても明るく前向きに生きる女性の姿に勇気づけられる人もいるかもしれない。その一方、貧困女子を「ボンビーガール」と呼び名を変えたところで、笑い飛ばすことができない現実があることも忘れてはいけない。Aさん、Bさんの発言は、そうした問題提起でもあるだろう。