NHKの受信料はそのままでいいのか、下げるべきか。国民的な議論は高まっている。本誌・週刊ポストの読者1000人アンケートでは「下げるべき」との意見が約8割を占める結果となった。

 とはいえ、元NHK番組プロデューサーで放送プロデューサーの杉江義浩氏は、受信料は「そのまま」であるべきと説く。

「受信料が高いという人は、まずテレビはタダで見られるという発想を脱却してほしい。有益な情報には必ず対価を払う必要があります。CM収入のないNHKは、受信料収入をもとに災害報道やNHKスペシャルなどの取材費にお金をかけています。

 そもそもNHK職員は高給取りだと思われているが、給料は民間の同業他社の9割程度。職員らは民放より給料が安くても使命感を持って仕事しているのです。

 また受信料で番組制作する強みは不偏不党、公正中立な報道をするということに尽きる。税金で賄えばいいという議論があるが、それでは国の広報機関になってしまいます」

 ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、「下げるべき」のスタンスだ。それが国民全体の利益にかなうと主張する。

「NHKは地上波にBS、ラジオと電波を持ち過ぎている。民放を意識したバラエティ番組がそんなに必要なのかと問いたい。

 持ち過ぎている電波を整理した上でコンテンツを取捨選択し、政見放送や災害放送、ニュース番組などに絞る。そうして組織と人員をスリム化すれば受信料はまず半分まで下げられるはず。

 黙っていても受信料が入るから、コスト意識もない。報道が弱体化した民放に比べてNHKが相対的に有利になり、今より世論形成に力をもてば、政府はNHKさえ抱き込めば政策宣伝に都合がよくなる。それは健全ではないでしょう。NHKには抜本的改革を求めます」

※週刊ポスト2020年1月15・22日号