コロナ禍で大きな変革を強いられる飲食業界。そんななか、回転寿司チェーンの「くら寿司」は“非接触サービス”を基本とする「スマートくら寿司」を展開している。

「スマートくら寿司」とは、入店から退店まで、店員との接触がほとんど必要ないタイプの店舗のこと。スマホアプリから予約が可能で、入店からテーブルまでの案内も店員を介さずセルフで行う。また、席に着いてからの注文は、テーブルに設置されているタブレット端末のほか、自分のスマホからも可能。会計もセルフとなっている。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。

「スマートくら寿司は、2020年11月に1号店となる東村山店で導入され、その後オープンした店舗では、スマートくら寿司が基本になっています。現在はまだ十数店舗での展開ですが、今後全店舗を“スマートくら寿司化”していくようです」

 そこで、マネーポストWEBの庶民派グルメ担当記者Aが、実際に「スマートくら寿司」を体験した。

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 3月上旬、平日のお昼12時前。向かったのは渋谷駅近くにある「くら寿司 渋谷駅前店」。2021年1月にオープンしたばかりの店舗だ。渋谷駅と隣接したビルの7階にある店舗に着くと、すでに店の前に2組ほどが待っている状態だった。スマホで事前に予約しておけばよかった……と後悔する。

 端末から整理券をもらって待っていると、5分ほどで自分の番号がアナウンスされた。そのまま店に入って案内機でチェックイン。テーブル番号が表示され、伝票が出てくる。その伝票を持って、テーブルに向かった。

 案内機の操作は自分で行うのだが、導入されたばかりで不慣れな客も多いからなのだろうか、案内機の横には店員がいてサポート。完全な“非接触サービス”というわけではないようだ。

 案内されたのはボックスシート。テーブルの上は何もない状態で清潔感も十分だ。割り箸や醤油、ガリなどは、テーブル内に収納されている。

 せっかくの“スマートくら寿司”なので、スマホアプリでの注文を試みる。しかし、スマホの場合、テーブルに設置してあるタブレットに比べて画面が小さく、写真も小さいので、ちょっと見にくいのが難点だ。また、ひとつの画面に表示されるメニューの数が少ないので、頼みたいメニューを探すために何回もスクロールしなくてはならない。少々操作に手間取ってしまい、結局、タブレットで注文することにした。

 レーンに流れてくる寿司は「抗菌寿司カバー」で覆われており、感染対策に力を入れていることがわかる。

 同店では、ボックスシートの背もたれが高くなっており、周囲の客の様子などはほとんど見えない状態。飛沫防止になるとともに、“個室感”が増し、快適な食事の時間を過ごすことができた。ちなみに、ランチタイムということで、中高生からサラリーマンまで、幅広い客層が来店していた。

皿の枚数は自動でカウント

 一通り食事を終え、食べた寿司の数をチェック。通常の皿はテーブルにある投入口に入れると自動的にカウントされる。また、投入口に入らない小鉢状の皿についても、小型カメラやAIによって自動でカウントされるとのことで、特に店員の助けも必要なく、タブレット上で皿の枚数カウントは完了した。

 会計は店内のセルフレジで行う。テーブルのタブレットで皿の枚数をカウントした上で、伝票のバーコードをセルフレジに読み込ませればOK。そこで現金や電子マネーで支払えば完了する。

『名探偵コナン』のクリアファイルがもらえるキャンペーン中だったこともあり、セルフレジの向こう側には店員がいて、見守られながらセルフレジを操作。レシートも店員に手渡しされたので、やはり完全な“非接触”ではないとはいえ、ほとんど誰とも接触することなく、入店から退店までを快適に過ごすことができた。

 店の入口付近に入店を待つ客やテイクアウトを待つ客などがいることもあり、そういった状況を回避するには、やはりスマホでの予約が必須だが、今後、このスマートくら寿司のような取り組みは浸透していくのではないだろうか。