「親の葬儀」については、生前の段階でいろいろと決めておかなければと思いつつも、結局後回しにしている人も多いだろう。だが、そうこうしているうちに親が病気になり、気づけば手遅れ……ということにもなりかねない。

 だからこそ、葬儀については早い段階でじっくり話し合っておくべきだ。相続に関する家族会議を開くならその場で話し合っておきたい。複数社から見積書を取り寄せ葬儀社選びをしておくほか、先祖代々の墓が遠方にある場合は墓じまいをしておくことで、その後の世代に苦労をかけないで済む。

 墓を持たない場合、生前に墓石を購入しておくと、死後に購入するより費用面で有利になることがある。墓石は祭祀財産であり相続税の対象外なので、非課税財産として残すことができるからだ。

葬儀の規模を決めておく

 親の死後、子供は悲しみに暮れる暇もないまま、葬儀社や菩提寺への連絡、死亡診断書の入手に始まる大量で煩雑な手続きに追われる。葬儀でトラブルの元になりやすいのが、近親者への連絡だ。親が元気なうちに誰に連絡をすべきかを聞き取り、リスト化しておきたい。

 最近は小規模な家族葬が増えているが、連絡が遅れたり連絡そのものをし忘れたりで“軽んじられた”と親族がヘソを曲げ、親族関係がこじれてしまうこともある。

 亡くなったことを近親者に伝える際は、故人(親)と相談した葬儀の規模を伝えることも重要だ。想定外の人数を呼ばれて困ったケースも。

 死亡届の提出や納棺・通夜・告別式・火葬が終わると、世帯主変更届の提出など役所関係の手続きが相次ぐ。そんななか、忘れると損をするのが葬祭費(埋葬費)の申請請求だ。親が加入していた健康保険から1万〜7万円の葬祭費が支給される。手続きには親の健康保険証などが必要になるので、実家の保管場所を共有しておくことが重要だ。

※週刊ポスト2021年4月16・23日号