東京商工リサーチの調査(6月28日時点)によると、コロナ禍でも年収が「億超え」を果たしたサラリーマンが350人以上いる。本誌・週刊ポストは上位200人を調査し、知られざる素顔に迫った。

 コロナ禍の影響を受けた2021年3月期は「K字決算」と言われ、各社で明暗が分かれた。経団連が発表した大企業の夏のボーナスの支給額は前年比で7.28%減少するなど、全体としてはサラリーマンには“寒い夏”となっている。

 さらに近年、これまで海外に比べて「社員格差」が少ないとされてきた日本企業の給与体系そのものも変わり始めている。東京商工リサーチ情報本部の坂田芳博氏が言う。

「当社の調査によると、年収1億円超は社数・人数ともに増え続けています。ソフトバンクやトヨタ自動車が高額な賞与で外国人役員を登用するようになり、その影響からか12.5億円で日本人1位のソニーグループ・吉田憲一郎会長(4位)はじめ、『生え抜き社員』も高額な報酬を受け取るようになりました」

 吉田氏はソニーとしては異例の財務畑から社長に就任、コロナ禍でも過去最高益を達成した。「趣味は仕事」と公言するほどの真面目な人物だ。

 そのほかの“億超えサラリーマン”たちで目を引くのは、社長以下8人がランクインした東京エレクトロン。経済ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。

「同社は主に“産業のコメ”と言われる半導体の製造装置を手がける隠れた世界的企業です。2021年3月期決算は過去最高益を達成。AIや自動運転など新分野開発に欠かせない企業です」

 東京エレクトロン・河合利樹社長(7位)は大阪出身の57歳。1986年に入社後、2016年に社長に昇格した。

 趣味は高校時代から続けるゴルフ。明治大学ゴルフ部では副主将を務め、ハンディキャップはゼロ。現在も「年間30ラウンドはこなしている」とインタビューに答えている。

 現在64歳の伊藤忠商事・吉田朋史副社長(36位)は「大物」とのラウンド経験を持つ。同社社員が語る。

「全盛期のタイガー・ウッズが来日した際に、一緒にラウンドした記念写真を大事にしていると聞いたことがあります」

 しかし、そんな吉田氏も挫折を味わうこととなった。次期社長の有力候補と目されていたが、今年1月、新社長に抜擢されたのは4歳年下で今回の表では「ランク外」の石井敬太専務(60)だった。

 出世街道をひた走るサリーマンは「健康」にも余念がない。アステラス製薬・安川健司社長(15位)は新薬の開発畑を歩み、2018年から社長を務める。

 休日はジムで鍛え、61歳ながら引き締まった身体つき。フルマラソンを「3時間10分台」で走破する本格派ランナーでもある。「健康産業なのに太ったらダメだ」という信条の持ち主で、役員に対して「フルマラソンが走れないと役員は務まらない」と冗談半分で語ったという逸話がある。

※別掲の表は、東京商工リサーチの『2021年3月期決算 上場企業「役員報酬1億円以上開示企業」調査』(6月28日までの開示分)をもとに、上位200人を掲載。年齢と肩書きは本誌調べ(6月28日時点)。退任している場合は、肩書きの前に「元」をつけた。

■協力/東京商工リサーチ

※週刊ポスト2021年7月16・23日号