自身や家族が働いて得た大切なお金を無駄遣いすることなくしっかり貯めるための方法として“現金管理”というものがある。クレジットカードや電子マネーは使わず、すべてを「現金」で管理するという方法だ。手持ち以上のお金を使うことなく、財布を開けばひと目で収支がわかるというメリットがある。

 そうはいっても、「カードで払えばポイントやマイルが貯まるし、いまはキャッシュレス全盛。現金を持ち歩くよりも、長い目で見ればカードの方がお得なんじゃ……」と納得がいかない人もいるかもしれない。だが、カード払いは基本的に翌月払い。そのときは財布や口座にお金がなくても、欲しいと思ったらすぐに買い物ができてしまう。キャッシュレス払いは、知らないうちに“お金を使いすぎてしまう”というデメリットもあるのだ。

 現金管理を実践しているファイナンシャルプランナーでお金の教育専門家の竹谷希美子さんはこう話す。

「収入が少ないわけではないのにカードで自己破産してしまう人は少なくありません。カードの返済は2回払いまでなら利息はつかないのに、リボ払いにして、高い利息を払わなければならなくなることが多いのです」

 二束三文のポイントに目がくらんでカード払いを選んでも、貯まるポイントより出費の方が多かったり、複数のカードにほんの少額ずつ貯まったポイントを失効させていては、目も当てられない。カードのポイントを貯めるのは、現金管理に慣れて、貯まる体質になってからでも遅くはないだろう。

「キャッシュレス決済なら、せめて交通系電子マネーのようにその都度チャージするタイプのものや、支払いと同時に銀行口座から引き落とされるデビットカードの方がいいでしょう。際限なくお金を使ってしまうリスクが低く、現金で管理するのに近い」(竹谷さん)

 毎月の給料日に固定費以外を全額引き出し、生活費を現金管理するようになるとどうなるか。現金管理に切り替えたばかりの間は、前月までのカードの支払いをしながら現金でやりくりしなければならないため、負担を感じるかもしれない。しかし、やはり現金管理を実践するファイナンシャルプランナーで家計再生コンサルタントの横山光昭さんによれば、最大でも半年で、貯蓄体質に生まれ変わることができるという。

「それまで使っていたカードの支払いが完全に終わる3か月後くらいから、目に見えてお金の流れがわかるようになります。そこからさらに3か月もすれば、現金でのやりくりにも慣れてきて、みるみる貯まる体質に改善されていくはず」(横山さん)

 その結果、多くの人が、理想の貯蓄割合である2割をコツコツ貯められるようになっているという。

「たとえば、月末の食費袋。うまくやりくりできて、封筒の中にお金が残っているのは、目で見て、触ってわかる。その達成感が大切です。通帳に記帳するだけでは感じられない、ジャラジャラという音や重み、お金の独特のにおいなど、現物が強いモチベーションになるのです。10万円から50万円、やがては100万円、さらには1000万円まで貯めるのも夢ではありません」(竹谷さん)

 結局、現金を手元に置いて、「五感」でお金を感じるのが、いちばんの近道なのだ。

※女性セブン2021年7月22日号