新型コロナウイルスの感染拡大以降、一気に広まったテレワークという働き方。通勤ラッシュから解放された分、以前よりも仕事に集中できると感じる人もいるようだが、その一方で、他人の目がない環境から、就業時間内であってもサボってしまう人もいる。彼ら/彼女たちは、どんなサボりかたをしているのか。また、サボることにどんな言い分があるのだろうか。当事者たちの生の声を集めた。

「在宅勤務は天国すぎて、出勤する日々に戻れる自信がありません。サボろうと思えば、いくらでもサボれてしまう恐ろしささえ感じています」

 そう本音を明かしてくれたのは、メーカーで働く30代男性・Aさんだ。起床後、パジャマを着たまま業務開始の連絡をしてメールチェック後、ひとまず1時間寝るのがルーティーンになった。

「会議が入っていない時は、『二度寝』が鉄板です。上司からの電話で目を覚ますことも何度かありましたが、寝起きだとバレないよう、呼吸を整えてから電話に出ます。午後から本気を出すためには、午前中の休息が必要だと割り切っています(笑い)」(Aさん)

 午後は取引先からの電話による問い合わせが増えるため、「そこまでサボれない」と言うAさん。だが、電話対応と事務業務の隙間時間を見つけて、副業に力を入れている。

「最初は“息抜き”と称してネットニュース、ドラマや映画を見ていました。でも、これではオフィスでのサボり方と同じ。有意義なものにしたいと思い、学生時代にサークルで学んだ動画編集スキルを活かし、YouTubeの動画編集の副業を始めました。副業はコロナの減収分の補填の意味合いもありますが、頑張ってもどうせ給料は上がらないのだから、最低限の仕事をこなしながら収入源を増やした方がいいという生存戦略です」(Aさん)

 Aさんの会社では副業は認められているが、もちろん就業時間内にそれをやるのはルール違反。バレたら大目玉を食らうことだろう。

「ずっとPCの画面を見つめなければならないのはおかしい」

 テレワーク中に自分磨きや部屋の片付けにいそしむ人もいる。印刷会社で働く20代女性・Bさんは、「いつもしていることをサボりと言われてしまったら、在宅では仕事ができないかも」と笑う。Bさん曰く、在宅勤務で欠かせない“日課”になっているからだという。

「ネイルを塗ったりパックをしながら仕事をしています。業務の合間にジムに行ってランニングをすることもあります。最近は大掃除と片付けの一環として、フリマアプリへの出品から梱包・発送作業までしています。そういうメリハリがないと在宅勤務はやる気がでないというか。サボりではなく、やる気を上げるルーティーンと考えるようにしています。上司から怪しまれても、『別件が立て込んでいました……』とごまかしています」(Bさん)

 IT企業に勤める20代男性・Cさんは、在宅勤務をしながらスマホゲームのプレイをはじめ、声優のラジオのアーカイブを聞くなど、のびのびと仕事をしている。

「オフィスだとスマホゲームをやったり、音楽を聞いたりしながら仕事しづらいので、在宅勤務は快適です。最近は平日の日中に本屋さんや喫茶店に行くことにハマっています。在宅勤務で人との交流がないし、自粛生活にも疲れているので、息抜きですよ」(Cさん)

 そんなCさんは、在宅勤務には「サボる権利」があると主張する。どういうことなのか。

「オフィスなら、トイレに行ったり雑談したり、ちょっと飲み物を買いに行ったり、休憩が認められるシーンも多いじゃないですか。でも、在宅勤務だとPCの画面をずっと見つめ続けなければいけないというのはおかしい。ちょっとした息抜きは必要じゃないですか? だから僕は業務に支障が出ない程度に、サボり続けますよ。そうしないと仕事の効率も下がってしまうので」(Cさん)

 コロナ以前、オフィスでもサボっていた人はいたはずだが、テレワークの普及でよりサボりやすくなったこともあり、それぞれサボる言い分というか、言い訳を持っているようだ。今回、紹介した3人のからは、サボりの裏に「あきらめ」や「開き直り」を感じさせる声も上がっていた。会社としてモチベーションを保つ対策も必要といえそうだ。