長引くコロナ禍が家計に大きな打撃を与えている。以前より収入が減ったことで家計の支出を見直している家庭も多いことだろう──。「生活費」のムダ遣いを防ぐという意味では、食費や日用品、洋服など自分の好きなものに使う変動費を抑えるだけでなく、固定費の削減にもチャレンジしたい。

 よく「夏はエアコンをつけっぱなしにしていた方が電気代が安くなる」などといわれるが、貯金評論家でファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんは異議をとなえる。

「確かに、エアコンは立ち上げるときの消費電力が最も大きく、かかる電気代も高い。つけっぱなしでもいい場合がありますが、一日中つけっぱなしにしていいわけではありません。昼間は30分以上、夜は20分以上部屋を空けるなら、エアコンの電源を切らないと損します」

 当然ながら、夏はエアコンの設定温度が低いほど電気代がかかる。室温は28℃に固定したまま扇風機を併用し、エアコンからの冷気をかくはんするという手もある。

 初期費用はかかるが、大きな効果が見込めるのが、最新の省エネ家電への買い替えだ。

「夏と冬に消費電力が高まるエアコンは10年、一年中稼働させる冷蔵庫は15年が買い替えの目安です。冷蔵庫は毎年10月頃にモデルチェンジすることが多く、その前の8〜9月が安く買い替えられる時期。まさにいまがチャンスです」(花輪さん・以下同)

 買い替えたりこまめに電源を消すだけでなく、冷蔵庫や洗濯機、掃除機、ドライヤーなどはフィルターの掃除をするだけでも節電につながる。

「省エネルギーセンターの発表によると、エアコンのフィルター掃除の目安は月に1〜2回です。冷蔵庫は、庫内の掃除はもちろん、食材を詰め込みすぎないことも大切です。

 昨年の緊急事態宣言発出時、1か月間ほとんど外に出ず過ごしましたが、冷蔵庫に残っている食材を使い切るように工夫したら、食材を買い足さずに暮らすことができました。冷蔵庫に入れる食材は、どんなに多くても1週間分を超えないように気をつけて。電気代の節約だけでなくムダ買いを防ぎ、外出頻度も減ります」

 冷蔵室はできるだけ「スカスカ」を目指すべきだ。その一方で、冷凍室は「パンパン」にするのが正しい。食材同士が互いに保冷剤の役割を果たすため、冷凍室は中身が詰まっていればいるほど温度が上がりにくく、電気代を抑えられる。

 少しの工夫で節約できるのは、電気代だけではない。シャワーだけで入浴を済ませがちな夏こそ、ガス代と水道代の節約がしやすい。消費生活アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが言う。

「家族が4人以上なら湯船にお湯を張った方がお得ですが、3人家族までなら、シャワーだけにした方が、ガス代と水道代の節約になります。湯船を使うなら、浴槽1杯は約200リットルで46円かかるので、自動湯張りの水量はできるだけ少なく。保温や自動運転はせず、追いだきもしない方がいい」

 それ以外にも、削れるものはたくさんある。照明をLEDに替えるほか、最新家電に初期投資するのもおすすめだ。

「食器洗い乾燥機を使えば、水道代が安くなるほか、時短にもつながり、家族が多いほど効果を発揮します。また、思い切って固定電話を解約し、格安スマホに乗り換える手も。固定電話を解約するだけでも、月々約2000円ほど節約でき、詐欺電話を受けるリスクも減らせます」(丸山さん)

 節約の初期設定を実践したら、実際にどれくらい支出を抑えられているかの確認も忘れずに。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。

「家計簿をつける頻度も、1か月に1度では少ない。月の途中で振り返り、軌道修正できるようになるまで、できるだけこまめに記録しましょう」

 一方で、お金の教育専門家でファイナンシャルプランナーの竹谷希美子さんはあえて家計簿をつけていないという。

「もし、“家計簿をつけるのに時間がかかりすぎる”“家計簿をつけただけで満足してしまう”のであれば、それは時間のムダであり、ほかのことに使える貴重な機会の損失になりかねません。家計簿は、収支の把握のための手段。つけること自体が目的にならないように」

 大切なのは、手元にあるお金をわかりやすく「見える化」すること。家計簿をつけるのが大きなストレスなら、とにかく支出を把握するための財布の整理、予算設定を徹底しよう。

※女性セブン2020年9月2日号