「節約してお金を貯めよう」と思ったとき、あなたはまず何をするだろうか。少しでも安い食材を探してスーパーをはしごしたり、欲しい洋服をがまんしたり……もちろんそれも間違いではない。しかし、食費や被服費といった「変動費」を削るのは、買い物のたびにあれこれ考えなければならず、ストレスも大きい。

 本気で節約効果を大きくしたいなら、住居費や保険料、通信費といった、毎月決まった「固定費」を削るべきだ。

 サラリーマンで、『33歳で手取り22万円の僕が1億円を貯められた理由』の著者の井上はじめさんは、億万長者を目指し、貯蓄と節約に励むことを決めた20代の頃、その第一歩として、固定費の削減方法を模索した。

「社会人1年目で、手取り月収は20万円ほどでした。普通に生活していると、その収入の5割ものお金が固定費として毎月出ていくことに気づいたのです。“この収入で本気で億万長者を目指すなら、少なくとも毎月10万円を捻出しなければならない”と思い立ち、固定費を徹底的に削ることを決意しました。

 変動費を節約するには、毎回判断が求められ、それを一生続けるには、手間も時間もかかります。がまんをしなければならないことも多いでしょう。一方で、固定費を削るには、最初に時間をかけて調べて、実践するだけ。たった一度の工夫だけで、それ以降は時間を奪われることなく、大きなお金が浮く」(井上さん)

 何年も続けてきた契約を見直して手続きし直すのは少しめんどうだが、この先、節約生活を続けるよりも、ずっと大きな節約効果が続くのだ。

 買い物のたびに頭を悩ませ続けるか、一度の手間でラクして一生得するか──選ぶまでもないだろう。

 まず目を向けたいのが、家賃や住宅ローンなどの「住居費」。一般的に、月々の住居費は手取り月収の30%ほどが理想だといわれている。月収が30万円なら、月々9万円、年間で108万円が出ていく計算になる。これを抑えられれば、かなりの節約になる。

 もちろん、ただ「家賃が高いから安くしろ」と言うわけにはいかない。大切なのは、タイミングと証拠集めだ。

「チャンスは5月と11月。例年、4月と10月は人の大移動によって賃貸市場が大きく動くので、その直後に入居者に退去されるのは、家主にとっては痛手になります。この時期に契約更新を迎えるのであれば、家賃や更新料の引き下げの交渉に応じてもらえる可能性が高まるでしょう。大家や管理会社に“このままなら契約更新のタイミングで引っ越しを考えています”などと伝えてみてください」(井上さん)

 交渉をうまく進めるには、周囲の相場を調べることが重要だと、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが言う。

「ポイントは築年数、広さ、駅からの距離など、同じような条件の近隣の物件。“こんなに安いところがありますよ”と、交渉がしやすくなります。その結果、家賃が月5000円下がった人もいます」

低金利のいまこそローンの借り換えを

 持ち家の場合は、住宅ローンの負担をどう減らすかがカギを握る。いま組んでいるローンよりも低い金利のものに借り換えることができれば、返済総額が減る場合がある。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。

「ローンの残高が1000万円以上で、返済期間が10年以上、そしていまの金利と借り換え後の金利差が1%以上なら、借り換えた方がお得です。ネット銀行なら借り換え手数料は比較的安いので、場合によっては金利差が0.5%でも得になることも。借り換え後の返済額をシミュレーションできるウェブサイトもあるので、検討してみてほしい」

 住宅ローンには、ずっと金利が変わらない「固定金利」と、半年に1回金利が変更される「変動金利」がある。なかには、「当初10年は固定金利」などと選択できるタイプもあるため、どれを選べばいいのか悩むところだ。

「超低金利の現状では、変動金利は0.5%程度、固定金利は1.3%程度となっています。一見、変動金利の方がお得に見えますが、後々金利が上がる可能性を考えると、いまのうちに固定金利のものに借り換えておくのも一案です。

“実際に金利が上がってから固定金利に切り換えればいいのでは”と思われるかもしれませんが、銀行側は新規の借り入れの見直しを適宜行っており、相場が上がればすぐに固定金利も上げられてしまうので、後からでは遅いのです」(風呂内さん)

 固定金利への借り換えは、超低金利のいまがチャンスということだ。コロナ禍でステイホームが増えたいまこそ、自宅をじっくり見直す機会にしたい。

※女性セブン2020年9月2日号