お金を貯めるために節約を考える時、まず食費や被服費といった変動費から減らそうとする人は多いだろうが、本気で節約したいなら、住居費や保険料、通信費といった毎月決まった「固定費」を削る方が有効だ。

 固定費のなかでも、意外と見落としがちなのが、生命保険と医療保険。日本人の8割が保険に加入しているといわれるが、実は、本当に保険に加入する必要がある人は少ないのかもしれない。サラリーマンで、『33歳で手取り22万円の僕が1億円を貯められた理由』の著者の井上はじめさんが言う。

「子供がいないなら、自分にもしものことがあっても、家族葬+αで、200万円もあれば充分だと思います。たとえがん保険に入っていても、がんではない病気やカバーできない事故に遭うかもしれません。万が一のことを考えるとキリがない。預金が200万円を超えてから、一切の保険を解約しました」

 そもそも、一家の大黒柱の身に不幸があったとしても、配偶者と子供は遺族厚生年金を受け取ることができ、その金額は手厚い。井上さんも、今後、子供が生まれて教育費・養育費のために掛け捨ての生命保険に入っても、子供が大きくなれば解約する予定だと話している。

 生命保険と同様、医療保険も、200万円程度の貯蓄があれば、無理に加入する必要はない。高額療養費制度などを利用すれば、医療費の自己負担額はせいぜい月10万円程度で済むからだ。

「けがや病気で入院する期間は、どんなに長くても1年ほど。たとえひと月に10万円の医療費がかかったとしても、年間でも120万円ですし、その間の生活費などを考えても200万円あれば足りるはずです。何よりも“どんな病気でもカバーできるのは現金”ですから、200万円くらいの貯蓄があれば、保険会社に支払うよりも、コツコツ貯蓄して資産を増やした方が、万が一の備えになると思っています」(井上さん)

「マイホームを買ったから保険に入らなくては」というのも勘違いだ。住宅ローンには「団体信用生命保険(団信)」がセットされるケースがほとんどで、万が一債務者が亡くなった場合は団信で住宅ローンが完済される。保険評論家の長尾義弘さんが言う。

「むしろ、住宅ローンを組んだら、それまで加入していた生命保険の死亡保障額を減らした方がいい。また、住宅ローンを借り換えるタイミングで、団信も切り換えられることがあります。ただし、健康状態などで条件が悪くなる場合もあるので、借り換えの前には注意が必要です」

※女性セブン2020年9月2日号