世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が相次いで明らかになり、経済再生担当相を辞任後、自民党のコロナ対策本部長に就任した、山際大志郎氏。自身の説明の迷走ぶりから閣僚を更迭される憂き目を見たが、実は山際氏は保有資産も大変なことになっていた。

■旧統一教会と深い関係、説明が迷走し辞任

山際氏が辞任した経緯を簡単に振り返る。

山際氏は2003年の衆院選で初当選し、現在6期目。自民党の麻生派(志公会)に所属し、2021年10月に発足した岸田文雄内閣で初入閣した。

山際氏と旧統一教会との関係は、山際氏が初当選した2003年の衆院選のときから続いていたとされ、教団トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁と一緒に撮った写真が明らかになるなど、自民党内でも旧統一教会との関係が深い人物と目されていた。

もっとも、山際氏が辞任するまでに至ったのは、旧統一教会との関係そのもの以上に、旧統一教会との関係についての自身の説明が迷走したからだ。例えば、韓氏との関係は、「定かではない」とあいまいな答弁を繰り返し、自民党内からも批判が上がっていた。

■山際氏の保有株式の特徴は?

閣僚辞任後にすぐさま党の新型コロナウイルス感染症対策本部長に就任。このことがさらに批判を招くなど、逆風にさらされている山際氏だが、金銭面でも憂き目を見ている可能性がある。

中日新聞などで報道されている閣僚の資産公開によると、山際氏は以下の株式を保有している。

・ボーイング360株
・メルカドリブレ50株
・オクタ320株
・クラウドストライクホールディングス650株
・スノーフレイク480株
・パランティアテクノロジーズ1,500株
・シフト4ペイメンツ750株
・ウーシーバイオロジクス4,500株
・サノヤスホールディングス3,000株

山際氏の保有株式の特徴は、米国株の保有割合が高い点。日本株のサノヤスホールディングス、中国株のウーシーバイオロジクス以外は米国株だ。メルカドリブレはアルゼンチンで設立されたeコマース企業だが、上場先はアメリカのナスダックとなっている。

■グロース株が多めのポートフォリオ

山際氏の保有株式は、グロース株の割合が高い。グロース株は、企業として将来的に成長が期待でき、大きな株価の上昇が見込める銘柄を指す。グロース株の反対はバリュー株で、バリュー株とは本来の企業価値と比べて株価が割安の銘柄のことだ。

一般にグロース株は企業価値に対して株価が割高で、ボラティリティ(株価の振れ幅)はバリュー株と比べて大きい。反対に、バリュー株はボラティリティが比較的小さく、「ローリスク・ローリターン」の投資先といえる。

グロース株の中でも、とりわけ成長率が高い銘柄を「ハイパーグロース株」という。山際氏の保有株式の中では、オクタやパランティアテクノロジーズなどがハイパーグロース株に相当する。

●オクタ株は年初から4分の1に

例えば、オクタの株価はどのように推移しているのだろうか。

オクタはクラウド管理サービスを提供しているアメリカの企業で、2009年に設立された。IPO(新規上場)は2017年4月で、初値は17ドルだった。以後、着実に株価を伸ばしていき、2021年2月には300ドル付近にまで迫った。

市場では、株価が10倍超になった銘柄をテンバガーと呼び、オクタもテンバガーの仲間入りを果たした。もっとも、2022年に入ってオクタ株は下降の一途をたどっている。年初には1株200ドル以上あった株価も同年11月18日時点で49.86ドルと、およそ4分の1となった。

山際氏がオクタ株320株をいつ購入したのか不明のため、正確な損得は分からない。しかし、少なくとも年初から保有し続けていたとすれば、オクタ株の資産価値は4分の1程度となっている。

●FRBの利上げでグロース株は苦境

その他の株式も、2022年の年初からの下落が目立つ。パランティアテクノロジーズの株価は、年明けは1株18ドル程度だったが、今は7〜8ドル付近と2分の1以上下落した。スノーフレイクやクラウドストライクホールディングスの下落も目立つ。

山際氏保有の米国株に共通していえることは、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制措置として実施している大幅な利上げの影響を受けている点だ。一般に、金利上昇局面では、バリュー株よりもグロース株への影響のほうが大きい。山際氏保有の米国株は、年初から以下のように推移している。

銘柄 2022年1月3日 2022年11月18日
ボーイング 207.86ドル 173.89ドル
オクタ 222.66ドル 49.86ドル
クラウドストライクホールディングス 198.33ドル 138.99ドル
スノーフレイク 332.01ドル 146.20ドル
パランティアテクノロジーズ 18.53ドル 7.39ドル
シフト4ペイメンツ 59.68ドル 48.57ドル
メルカドリブレ 1,332.94ドル 962.08ドル

(出典:Google Finance)

■ポートフォリオはバランスが重要

山際氏のポートフォリオからうかがえるように、グロース株の保有割合が高いと、利上げといった市場環境の変化の影響を大きく受けてしまい、ポートフォリオが被る傷が深くなりかねない。日本株と外国株、グロース株とバリュー株など、ポートフォリオのバランスの重要性を物語っている。

文・MONEY TIMES編集部