日本デビューを果した新型電気自動車「EQE SUV」

【クルマの電動化が進む激動の時代】新型電気自動車「EQE SUV」が日本デビュー!メルセデス・ベンツの電気自動車は7車種にの画像一覧

メルセデス・ベンツ日本が電気自動車(BEV)のラグジュアリーSUV「EQE SUV」を発表し、予約注文を開始した。凄まじい勢いで電動化が進む激動の時代、メルセデス・ベンツも莫大なコストをかけて積極的に電気自動車を投入している。2019年7月に「EQC」を日本市場に導入した後、「EQA」、「EQB」、「EQC」、「EQE」、「EQS」、7人乗りのラグジュアリーSUV「EQS SUV」と、6車種を立て続けに発表。今回発表された「EQE SUV」で、メルセデス・ベンツの電気自動車は7車種12モデルとなった。メルセデス・ベンツ日本は昨年12月には横浜に世界初のEV専売店をオープン、もうすぐそこに電気自動車の時代がやってこようとしていることを強く感じさせる。

電気モーター間で前後の駆動トルクを緻密に連続可変配分

今回発表された「EQE SUV」は、2022年9月に登場したミッドサイズセダン「EQE」のSUV版。まず導入されるのは前後アクスルにそれぞれ電動パワートレーン「eATS」を搭載した4WDの2モデルで、「EQE350 4マティック SUV」はシステム最高出力292PS/システム最大トルク765Nmを発生。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は89kWhで、WLTCモードの一充電走行距離は528km。

EQE350 4マティック SUV

EQE350 4マティック SUV

EQE350 4マティック SUV

EQE350 4マティック SUV

もうひとつの「メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV」は、型式認証申請中のため日本仕様のスペックは未発表だが、欧州仕様ではシステム最高出力687PS/システム最大トルク1000Nmを発生し、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は90.6kWh。WLTPモードの一充電走行距離は407-455kmとなっている。

メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV

メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV

メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV

4マティックシステムはフロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの緻密な連続可変配分を行うためエンジンよりも緻密で伝達速度が高く、インテリジェントな回生ブレーキ、走行状況に応じてクラッチを切ることで前輪をフリーにする新機構「DCU(ディスコネクトユニット)」も装備する。

また、日本仕様様独自の機能として、給電(V2H/V2L)にも対応。家庭の太陽光パネルなどで発電した電気の貯蔵装置となるほか、停電時などに電気を家庭に送る予備電源としても使える。給電はMBUX設定画面より、バッテリー残容量10%から50%まで10%単位で設定することができる。

電気自動車ならではのデザインの自由度を活かしたエクステリア

ボディサイズは全長×全幅×全高=4880×2030×1670mmで、ホイールベースは3030mm。エンジンを搭載しないためデザインに自由度が高い一方で、ノイズが小さいことから風切り音が耳につきやすくなるため、静粛性やエアロダイナミクスにはとくに配慮されている。

EQE350 4マティック SUV

EQE350 4マティック SUV

EQE350 4マティック SUV

スタイリングは継ぎ目が少ないシームレスなデザインが特徴で、オーバーラップ型のボンネットや格納式のシームレスドアハンドルがそのダイナミズムを強調している。ボンネットはサービス工場でのみ開閉可能で、左フェンダー側面にウォッシャー液補充のためのサービスフラップが設けられている。

インテリアデザインはデジタル感あふれるもので、ダッシュボードをほぼ埋め尽くす大型の曲線的なスクリーンユニット「MBUXハイパースクリーン」を搭載。左右のエアアウトレットはジェットエンジンのタービンを模した形状とし、デジタルとアナログの世界をうまく融合させている。

EQE350 4マティック SUV

シートは、「EQE350 4マティック SUV」にはスポーツシート、「メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV」には、サイドサポートの大きな張り出しを備えたAMG専用デザインのナッパレザーシートが装備される。

EQE350 4マティック SUV

サスペンションには連続可変ダンパーとエアサスを組み合わせた「エアマティック」を標準装備。最大10度の操舵角を誇るリアアクスルステアリングや、「メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV」には前後のアンチロールバーをそれぞれ2つに分割し、両方をアクチュエーターで制御する「AMGアクティブライドコントロール」も備わっている。

先進安全支援システムを含め、こうした電子制御を緻密に素早く行えるのも、電気自動車の利点となる。

なお、「EQE350 4マティック SUV」「メルセデスAMG EQE53 4マティック+ SUV」の両モデルともまずは導入記念モデルの「ローンチエディション」から発売される。

車両価格はEQE350 4MATIC SUVが1369万7000円、メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUVが1707万円。後者は2023年10月以降に納車が始まる見込みだ。

メルセデス・ベンツEQ EQE 350 4マティック SUV ローンチエディション スペック

全長×全幅×全高 4,880×2,030×1,670mm
ホイールベース 3,030mm
車両重量 2,630kg
モーター 交流同期電動機
総排気量 1,333cc
システム最高出力 215kW(292PS)
システム最大トルク 765Nm
前モーター最高出力 71kW/2682-16031rpm
前モーター最大トルク 251Nm/0-2682rpm
後モーター最高出力 144kW/2662-15913rpm
後モーター最大トルク 514Nm/0-2662rpm
バッテリー総電力量 89kWh
WLTCモード航続距離 528km
駆動方式 4WD
メーカー希望小売価格 ¥13,697,000(税込)

文/近藤暁史 写真/メルセデス・ベンツ日本