今年の8月にタイ〜ミャンマーで開催されるアジアクロスカントリーラリーに俳優&タレント、そしてラリードライバーでもある哀川翔が『FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES』の監督として参戦することになり、東京・青海のMEGA WEBで発表会が行われた。今年は新たにD1チャンピオンにして初代ドリフト王者の川畑真人を迎えての挑戦になるが、早速、息の合ったトークを披露した。 REPORT:水野智之(MIZUNO Tomoyuki)

 アジアクロスカントリーラリーは東南アジアのジャングルや山岳部、海岸などを6日間かけて走破するラリーイベント。今年は8月10日〜16日の期間、タイのリゾート地、パタヤをスタートにゴールのミャンマーの新首都ネピドーまで2200km以上の距離で開催される。

 『FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES』の監督を務める哀川はラリードライバーとして2011年にこの大会に参加。翌2012年にはクラス優勝も達成した実績を持つ。一時は監督業に専念する時期もあったが、近年は国内ラリーを中心にドライバーとして参戦し、4年目を迎える今年はTGRラリー・チャレンジにトヨタ・ヴィッツで参戦中だ。

昨年、川となった道の穴にハマり、地元の子どもたちの協力で復帰したという哀川車。

 そして今年、哀川はアジアクロスカントリーラリーに4度目の参戦を発表することになったが、チーム体制を変えての参戦となる。新たに昨年のD1チャンピオンにして、FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップで優勝を飾り、初代ドリフト世界王者に輝いた川畑をドライバーに迎え、哀川は監督して参戦することになった。

 実は川畑はD1では数々の実績を上げながらも、ラリーはまったくの未経験。その川畑をスカウトした哀川との経緯が面白い。

「今年の東京オートサロンで速そうなドライバーをひとり見つけまして『走ってくれないか』と。そうしたら興味を持ってもらった」と話す哀川だが、川畑にとっては「その時はまさか自分が乗ることはないだろうと思って半分、冗談で『是非、乗ってみたいですね』と話をさせて頂いたら、どんどん話が大きくなっていった(苦笑)」と、予想外の展開に驚いたという。

 今回の発表会では、そんなラリー未経験の川畑に哀川がアジアクロスカントリーラリーを戦うノウハウをレクチャーする場面も。

 昨年の大会では哀川はカンボジア走行中大雨に遭い、道が川になった状況で「道路なのか川か分からない状況だったけど、とりあえず入っていくしかない状況だった。そこでしくじってしまった」と哀川。スタックしたクルマを降りて、たまたま周りにいたカンボジアの子どもたち20人に手伝ってもらい、その窮地を乗り越えたという。

 また、昨年はミスコースをしてしまい、とある寺院の敷地に入ってしまったエピソードも披露。
「コースを作ったときから実は通れないとか、天候の変化で道路か川か分からなくて状況がだいぶ変わっているし、ペースノートも『10km先の何本か生えている椰子の木の周りを回る』とか書いてあるけど、『分かるかこれ!?』みたいな。そこで知らない寺院の中に入ってしまって、そうしたらふたりのお坊さんがものすごい剣幕で向かってきて言葉は分からないけど無茶苦茶怒っていた。俺も50歳を過ぎて、あんなに人に怒られことなんてないだろう、というくらい怒られました。『すみません!』って謝りながら速攻でUターンしました」と哀川。

 世界でもっとも過酷なラリーのひとつと言われるアジアクロスカントリーラリー、これまで3度挑戦した哀川のエピソードは事欠かない。そんなエピソードを聞いて、不安な表情を浮かべるのは初挑戦する川畑。

「ひとつ心配がありまして、小さな虫とか苦手なんですけど、大丈夫ですか?」(川畑)

「虫は車内には入ってこないから問題ないです。ホテルでも部屋のなかで虫を見たことがない」(哀川)

「本当ですか!? いまちょっと騙していないですか!?」(川畑)

「クルマの外に出ない限り大丈夫。穴にハマらなければ大丈夫」(哀川)

 そこで哀川が改めてアジアクロスカントリーラリーの注意点をまとめる。

「とにかく大きな穴と象とバッファロー、動物には気をつけてほしい。あとは時々、前方から原チャリで走ってくる現地のおじさん。そこさえクリアできれば、なんとかいけると思います。力を発揮してくれればクラス優勝も夢じゃない」と、川畑に期待する哀川。

 そんな過酷なアジアクロスカントリーラリーだが、「実際、いろいろな事が起きますが面白いですし、完走したときは本当に感動した」と哀川。ラリーとモータースポーツの魅力を存分に感じたようだ。今年もドライバーとして挑戦した気持ちがあるものの、「今年はなんとしても勝ちたい」との思いから監督に専念し、川畑を迎入れた。

 まだテスト走行もまだ行っておらず、まったくのラリー未経験の川畑にとってはプレッシャーばかりが高まるような状況だが、「ラリーもタイヤが滑っているから大丈夫」「まあ、何があっても終われば全部、笑い話になるから」と哀川のお墨付き(!?)も。川畑も最後には「参戦するからには、クラス優勝を目指して全力で戦います」と力強く優勝宣言した。

 果たして、哀川監督&川畑真人のコンビはどのような6日間をタイ〜ミャンマーで過ごすことになるのか。今回の発表会では息の合ったやりとりを見せたふたり、本番でもいい師弟コンビになるのか、それとも凸凹コンビとなるか、いろいろな意味で注目したいコンビとなりそうだ。