神戸製鋼所が開発中の「舶用バイナリー発電システム」について、1日竣工した川崎汽船の石炭専用船「CORONA YOUTHFUL」(91千トン)に搭載し、両社で約3年間の実船運用に関する共同研究を行う。本研究では実際の運用条件における本装置の性能や耐久性の確認を行う。

 バイナリー発電とは、温水、低圧蒸気、エア等の低位の熱源により沸点の低い作動媒体を加熱、蒸発させてその蒸気でタービンを回し発電する方式。搭載した舶用バイナリー発電システムは、従来、大部分が廃棄されていた船舶の主エンジンの排熱を熱源に、最大約100kWを発電する事が可能。発電した電力は船舶の動力の補助電源などに有効活用される事で、発電機エンジンの燃料及びCO2の削減に貢献する。

 舶用業界では、昨年4月に国際海事機関(IMO)によって、船舶に対し2008年比で2030年までに40%減、更に2050年までに70%減に努めるというCO2排出制限目標が設けられ、対応が急務とされている。神戸製鋼所は、2011年に陸上用のバイナリー発電システム「マイクロバイナリー」を開発、販売開始し、工場排熱、地熱などの熱源とした分野に多くの納入実績がある。こうした知見をもとに、船舶における排熱に着目し2014年から舶用のバイナリー発電システムの開発を開始、2016年にプロトタイプでの海上試験を完了し、商品化を進めている。
 また、本システムは、日本海事協会(日本)、Lloyd(イギリス)、及びDNV・GL(ノルウェー)の認証機関の承認を取得している。