軽量化素材として長年期待されている炭素繊維(CFRP=炭素繊維強化プラスチック)。コスト高ゆえになかなか本格普及しないが、少しずつ量産車での採用も増えている。三菱ケミカルの炭素繊維がレクサスLC500、LC500hのドアインナーに採用されている。

人とくるまのテクノロジー展2019横浜の三菱ケミカルブースに展示してあったLC500のドアインナー。

 レクサスLCに採用された炭素繊維はSMCとよばれるもの。SMCとはシートモールディング・コンパウンドのことで、短繊維の炭素繊維を使う素材だ。SMCは、オートクレーブで成形するものと違って、ハイサイクル成形が可能。汎用油圧プレス成形機の転用が可能で、複雑形状にも対応できる。したがって、オートクレーブ製法と比較してかなり低コストで作ることができるのだ。今回のLCでは、STR120N131という素材が使われた。
 レクサスLCのドアインナーとラゲッッジインナーの他にも、プリウスPHVのバックドアに採用されたことで話題になった。

短繊維を混ぜて成形するSMC

 低コストなSMCと高性能だがどうしても高コストになってしまうオートクレーブ製法の間を埋めるために三菱ケミカルが開発したPCMという製法で作ったトランクリッドも展示されていた。
 PCMとは、プリプレグ・コンプレッション・モールディングの略称で、ハイサイクル成形と汎用プレス成形機で成形できるというメリットと超硬化プリプレグを使うことで炭素繊維が持つポテンシャルを十分に活かせるという、新しい技術だ。

現代ジェネシスG70スポーツのプロトタイプに使われたPCM成形によるトランクリッド

 今回展示されていたのは、現代ジェネシスG70スポーツのプロトタイプのトランクリッド。インナーはSMCでアウターがPCM製法で作ったものだ。スチール製と比較して、インナーで3.3kg、アウターで3.5kgの軽量化ができたという。トランクリッドで6.8kgの軽量化効果は非常に大きい。

 SMCに続いてPCMも普及段階に入りつつあるようだ。