GR86 & SUBARU BRZ公道試乗会が神奈川県の芦ノ湖周辺道路で開催された。この両車には以前プロトタイプモデルにサーキットで試乗したことがあるが、今回はGR86とSUBARU BRZの違い、18インチ仕様と17インチ仕様の違い、ATモデルとMTモデルの違いなどもレポートしていきたい。

エンジンは2L→2.4Lになってパワーアップ

まず最初に試乗したのは、GR86の18インチ(RZ)+MTモデル。走り出してすぐに感じたのは、2.4Lエンジンは先代モデルに比べるとパワー感があるということだった。

それもそのはず、先代の2L自然吸気エンジンから最高出力は207psが235psへと28psアップ、最大トルクも212Nmから250Nmへと38Nmアップを果たしており、低回転域からスピードをグングンと上げていく。それは高回転域まで気持ち良くつながっていき、トルクバンドが広がっていることがわかる。そしてこのぐらいのパワーがもっとも扱いやすい。

スーパーカーの中には500psオーバーのものも多いが、実際にはアクセルペダルを全開にできる時間が短く逆にストレスが溜まってしまうこともある。GR86ならちょうどほどよくパワフルなので、目一杯アクセルペダルを踏み込んで走らせることができて、気持ちが良いのだ。

ワイディング路に入ってからハンドリングをチェックするが、とにかくハンドルを切った時のフロントの反応が早く、クルマは俊敏にコーナーを駆け抜けていく。S字の切り返しなどでもリアの追従性が良く、狙ったラインを思い通りにトレースできる。これは楽しい!

とくに18インチ仕様では、タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4(215/40R18)を装着しているが、非常にグリップ力が高く、安心してコーナーを攻めることができる。

新型GR86&BRZはATでも楽しめる!

次に試乗したのはBRZの18インチ(S)+ATモデル。86とBRZの出力特性の比較では、86の方が初期のトルクの出方を強調するセッティングがされている。さらに、よりパワー感があるということもあって、BRZはよりリニアな加速に感じられる。しかし、だからといってBRZの加速が物足りないということではまったくなく、先代よりパワーアップした効果は十分に感じられる。

そして強く言っておきたいのは、このATがとても良くできているということ。シフトショックはマイルドで、さらにパドルシフトを駆使してのシフトダウンは小気味良く、あえて余計なシフトアップ&ダウンをしたくなるほどだ。これならATでも十分にスポーツドライビングを楽しめると思う。

86とBRZの違いについてだが、サーキットで感じたほど、公道では違いを感じることは少なかった。というのは、サーキットでは、コーナリングの限界域で86の方がリアがよく動いて(=オーバーステア)、BRZの方は終始安定方向に感じたが、公道ではそこまでの違いを感じることはなかった。

これは、18インチタイヤによるものが大きいと推測される。というのは、公道走行のレベルでは、横方向のグリップが高く、限界まで攻めるのは難しいからだ。そういう意味では、18インチタイヤはサーキット走行を重視する人に向いていると感じた。

ダークホース登場。17インチは操る感覚が強く、乗り心地が良い

そして最後に試乗したのはGR86の17インチ(SZ)+MTモデル。SZのシートはRZのウルトラスエード×本革ではなくファブリックとなり、正直内装の高級感は若干劣る。しかし実は、公道走行ではこのモデルが一番楽しかったのだ!

17インチタイヤは、ミシュランのプライマシーHP(215/45R17)で、初代86と同じものとなる。このタイヤとの組み合わせが、ワインディング路での走りがとてもマッチしているように感じられた。当然、18インチ仕様と比べてコーナリング速度は落ちるものの、17インチの方がリアのグリップを感じながら、ハンドル、アクセル、ブレーキを操っている感覚が強い。

とくにGR86は先ほども触れたように、リアの動きがBRZよりもより大きく感じられるシャシセッティングになっており、これがより自分でコントロールしている感覚につながっていて、自分にとっては公道ではそれが楽しく感じられたのだ。

これはどちらが良い悪いということではなく、好みの問題で、リアがリニアに反応した方が良いという人にとってはBRZを選択することになるだろう。

もうひとつ、17インチ仕様のメリットは乗り心地が良いこと。18インチ仕様は路面が良いところではあまり感じなかったが、荒れているところでは、その凹凸をしっかりと身体に伝えてきて、ゴツゴツ感がある。しかし17インチは荒れた路面でもアタリがマイルドで、乗り心地が犠牲になっていないのだ。

というわけで、今回の公道試乗会を通しての筆者のベストチョイスは、GR86の17インチ(SZ)+MTモデルだ。自分で操っているという感覚がより強く感じられ、さらに乗り心地も18インチ仕様よりいいので、これがベストだと思った。

試乗後に両車の走りのコンセプトを確認してみると、GR86は「レーシングカンパニーGRがつくるとんがったスポーツカー」、BRZは「笑顔と若さという生きる活力を約束する極限のピュアスポーツカー」と定義していた。これはまさに的を射ていて、86のとんがった部分が好きか、BRZのピュアな部分が好きかは、まさに好み次第ということ。

このベースモデルを基本として、さらにいろんなチューニングパーツが開発されており、自分好みに仕上げていくというのも、GR86&SUBARU BRZの隠された魅力なのかもしれない。(文:Motor Magazine編集部 加藤英昭/写真:永元秀和)

●トヨタGR86 RZ MTモデル(18インチ仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1280kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:2378cc
●最高出力:173kW(235ps)/7000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/3700rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:11.9km/L
●タイヤサイズ:215/40R18
●車両価格(税込):334万9000円

●スバルBRZ S ATモデル(18インチ仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1290kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:2378cc
●最高出力:173kW(235ps)/7000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/3700rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:11.7km/L
●タイヤサイズ:215/40R18
●車両価格(税込):343万2000円

●トヨタGR86 SZ MTモデル(17インチ仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1260kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:2378cc
●最高出力:173kW(235ps)/7000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/3700rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:12.0km/L
●タイヤサイズ:215/45R17
●車両価格(税込):303万6000円