2021年にはさまざまな変化が起きた。それはクルマの世界でも同じで、電動化によってまさに「激変」とも言える転換期を迎えた。さて、22年にはいったいどのようなモデルたちがデビューして、私たちを楽しませてくれるのだろうか。(Motor Magazine 2022年2月号より)

Cセグメント期待の新型登場。コンパクトとDセグメントにも要注目

Cセグメントに投入されるニューモデルも話題作揃いだ。プジョーからは308がいよいよ日本上陸を果たす。その試乗記は本誌21年10月号で掲載済みだが、最新のプジョーらしく期待をまったく裏切らないモデルだ。シャシ、ドライブトレーン、デザイン、質感のどれをとっても弱点が見当たらない。コストを含め、久しぶりにフォルクスワーゲン ゴルフの強敵が登場しそうな気配である。

BMWからはフルモデルチェンジ版の2シリーズが一挙に2台もデビューする。そのうちのひとつ、2シリーズクーペは嬉しいことに後輪駆動モデルとして登場。トップグレードのM240i xDriveには374psを生み出す3L直6ターボエンジンが搭載され、後輪側により多くのトルクを配分する4WDシステムと組み合わされる。

2シリーズアクティブツアラーは、従来どおり基本は前輪駆動で1.5L直3ターボもしくは2直4ターボのエンジンを搭載。4気筒版にはディーゼルも設定されているが、どれが日本にやってくるかはまだ未発表だ。

アウディは新型A3シリーズに、ハイパフォーマンス仕様のRS3が追加された。その注目ポイントは伝統の2.5L 直5ターボエンジンの継承と、左右の後輪に伝達するトルクを個別に制御する機能を新たに盛り込んだことだ。4WDを維持したままドリフト走行が可能な「RSトルクリア」と呼ぶモードがアウディドライブセレクトに追加されたのも楽しみだ。

Bセグメントでは、フォルクスワーゲン ポロがマイナーチェンジ。本国発表の資料によれば、エンジンは1L直3ターボに一本化されるほか、デジタル装備品やADASの強化が中心となるが、ドライビングダイナミクスにも改良の手が加わっているはず。

そしてルノールーテシアにはEテックと呼ばれるハイブリッド仕様が追加される。Eテックについては新SUV「アルカナ」の記事で紹介しているので参照されたい。

日本再上陸のオペルからは、こちらも懐かしいモデル名といえるコルサが復活する。パワートレーンは、最高出力100psの1.2L直3ターボガソリンエンジンに加えてBEV仕様も投入される。モデル名はコルサeでバッテリー容量は50kWhとコンパクト。魅力的な価格設定となりそうだ。それでもWLTPモードで337kmの航続距離を実現していて、最高出力は136psと発表されている。

Dセグメントに目を移すと、BMWは4シリーズの2ドアクーペに続いて4ドアグランクーペを追加済みだ。ホイールベースは2ドアと共通の2855mmだが、グランクーペらしい伸びやかなデザインが印象的だ。最高出力184psの2L直4ターボエンジンに加えて、374ps4を生み出す3LL直6ターボエンジン搭載のM4400xDriveもラインナップする。

PSAグループからは、DS4とシトロエン C5Xというニューモデルが登場する。DS4は既存のカテゴリーに収まりきらない新ジャンルで、ワゴンともSUVともクロスオーバーとも表現できるスタイリングが斬新だ。

全長は4.4m、全高は1.47mと発表されている。パワートレーンはガソリンやディーゼルのターボエンジンに加えてPHEVも用意。プラットフォームはEMP2だ。C5XもDS4とよく似た新ジャンルのモデル。スペースユーティリティが高そうだが、こちらは全長4.8mとひとまわり大きい。

またプジョーは、508シリーズにハイパフォーマンスモデルのPSE(プジョースポールエンジニアード)を追加予定。久々のスポーツグレード登場が楽しみだ。

ラグジュアリークラスの面々も挑戦的。バリエーション面でも充実

ラグジュアリークラスのニューフェイスもなかなか華やかだ。まずDSは、DS9と呼ばれるラージサイズサルーンを投入する。DSがサルーンを発売するのは、中国専売モデルを別にすればこれが初めてだ。ボディは全長4.9mと堂々たるサイズでプラットフォームはEMP2、パワートレーンはPHEVを採用。最高出力225psで、11.9kWhのバッテリーによりWLTPモードで40〜50kmのEV走行が可能という。

メルセデスAMG GT4ドアクーペはマイナーチェンジだが、注目されるのはメルセデスAMGが独自に開発したPHEVシステムを採用すること。これは後車軸上にモーターとバッテリーを搭載。システム出力は843ps、システムトルクは1400Nmという、まさにモンスターマシンだ。

ベントレー フライングスパー ハイブリッドは、ベンテイガ ハイブリッドに続く同ブランドのPHEV第2弾モデル。3L V6ターボエンジン搭載のベンテイガ版と異なり、よりパワフルな2.9L V6ツインターボエンジンを搭載するシステムを搭載している。アウディA8はフェイスリフトを受け、存在感をより強調したフロントグリルなどを得ている。

幅広い関心を集めるBEV。あらゆるカテゴリーに展開

さて、前回「エンジン車が数多くデビューした最後の年」になるかもしれないと述べたが、2022年はBEVも数多く登場する予定が目白押しだ。

その筆頭がアウディQ4eトロンだ。eトロンシリーズとしては第3弾に相当するモデルで、ボディ形状はSUVとなるがスポーツバックモデルもラインナップされる。その内部には数々の革新的コンセプトが秘められており、まずバッテリー容量は77kWh仕様に加えて52kWh仕様も設定。

こちらはコンパクトなバッテリーと後輪駆動により効率化を図り、WLTPモードで308〜341kmと十分な航続距離を実現した。いっぽうトップグレードは最高出力299psの「クワトロ」フルタイム4WDで、0→100km/h加速は6.2秒でクリア。航続距離は、WLTPモードで412〜488kmを達成している。

積極的にBEVを展開するメルセデスからは、メルセデスEQの新ラインナップとしてEQB、EQS、EQEの3モデルが一挙に登場する見込みだ。EQBはBクラスのBEV版だが、EQシリーズのフラッグシップモデルにあたるEQSは新開発のBEV専用プラットフォームを初採用。108kWhという巨大なバッテリーを搭載し、航続距離は最長で780kmに達する。まさに、超ド級の存在といえるBEVだ。EQEは、EQSと同じEVA2プラットフォームを採用。90kWhのバッテリーを搭載して、660kmの航続距離を可能としている。

BMWは既存のボディを活用した2モデルのBEVを投入する。ひとつは、X3をベースとするiX3。0→100km/h加速は6.8秒と俊足で、最長461kmの航続距離を実現(WLTPモード)。そしてもうひとつが、4シリーズグランクーペがベースとなるi4だ。こちらの0→100km/h加速は5.7秒とさらに速く、航続距離は最長で590kmに達する。価格は未発表だが、ウェブ上でのプレオーダーが始まっている。

ポルシェは、タイカンにGTSスポーツツーリスモを設定。これはSUV的なクロスツーリスモからオフロード的な演出を取り去ったモデルといえる。スペックは、タイカンGTSに準じるものだ。

ボルボは1月号で紹介したC40リチャージに加えて、XC40のBEV、リチャージを発売。

フォルクスワーゲンはID.3に続いてID.4とID.5をリリースする。いずれもCセグメント相当だが、ID.3がハッチバック、ID.4はSUV、ID.5はSUVクーペとなる。

その他にもフィアット500e、シトロエンC4が登場予定と、22年はインポートBEVの選択肢が一気に増えそうな気配だ。(文:大谷達也)