年々タイヤは大径化し、今やスポーティカーや高級セダンは20インチ、21インチに超偏平タイヤの装着が当たり前になっている。ドレスアップでもインチアップする手法はよく見られるが、単に見た目だけかっこよくすればいいというわけではない。その注意点を見ていこう。

インチアップは、だだホイールを大きくすればいいだけではない。空気圧が重要

タイヤサイズのインチアップは、クルマのドレスアップとしてよく行われるチューニングだ。ただ、かっこいいからといって闇雲にインチアップをすることはできない。サイズの問題もあるが、ここではタイヤのインチアップと空気圧の関係に着目して説明しよう。

タイヤをインチアップした場合、車種によってはインチアップしたときの空気圧の指定がラベル表示されているときもある(純正オプションでそのサイズのタイヤが設定されているケース)。そのときはそれに合わせればいい。ただし、それを超えるインチアップをしたいケースもある。そこで注意したいのが、インチアップしたタイヤの場合、そのLI(ロードインデックス)表示が下がることがあることだ。

「215/45R17 91V」のように記されるタイヤサイズの最後に「91」や「92」、「93」などのLIが表示されている。これは一定の空気圧によって、タイヤ1本で支えられる最大負荷をあらわし、これによってそのクルマのタイヤ空気圧が決めらる。例えばJATMA(日本自動車タイヤ協会)規格でロードインデックスが「95」、指定空気圧が「240kPa」だった場合、最大負荷は「690kg」となる。LIが下がったら、その分空気圧を上げなければ最大負荷が足りなくなるということだ。

さらに日本のタイヤ規格と欧州のタイヤ規格では、同じロードインデックス表示のタイヤで同じ空気圧に設定しても、最大負荷の指数が違うことにも注意が必要になる。日本では先出のJATMAだが、欧州ではETRTOスタンダードという規格になる。欧州メーカーのタイヤを使う場合は、ここにも注意が必要で、それに対応した空気圧に合わせる必要がある。

空気圧を高めれば、最大負荷の指数も上がるので、単純に空気圧を高めればいいかというと、そうならない場合もある。そのタイヤの最大の指定空気圧にしても最大負荷が足りない場合があるのだ。その場合、そのタイヤではインチアップできないということになる。

もしこれに対応する場合、「225/40R18 92Q XL」のようなETRTOのエクストラロード「XL」規格のタイヤが必要だ。これはより高い空気圧にすることで最大負荷に対応できるように補強されたタイヤになる。これならLIが上がるので、より高い空気圧にすることが可能になり、最大負荷も同等にできるようになる(詳しくは表を参照)。

タイヤのインチアップというのは、このように単純に行かない場合もあり、安全のためには専門ショップなどとの相談が欠かせない部分となる。(文:Webモーターマガジン編集部 飯嶋洋治)