最新型は8.5世代目となっているフォルクスワーゲン ゴルフだが、初代モデルの日本導入は1975年3月から。2025年に節目となる「日本上陸50周年」というアニバーサリーイヤーを迎えることになった。そんな記念すべき年に合わせて2025年5月28日に発行されたムックが「VW ゴルフ クロニクル vol.2」。2月25日に初代ゴルフと2代目ゴルフのアーカイブ記事を収めた「VW ゴルフ クロニクルvol.1」を発売してから3カ月、このvol.2では、3代目ゴルフと4代目ゴルフのアーカイブ記事を収録している。そこでWebモーターマガジンでは、その見どころのダイジェスト版をお届け。今回は、初めてゴルフⅢの試乗取材を行った1991年11月号、国際試乗会の記事から抜粋していく。

8年ぶりのフルモデルチェンジの核となる1.8GL

21世紀のワールドカーを目指すゴルフには数多いバリエーションが用意されているが、その中でもっとも早い時期に日本に入ってくる可能性が高く、しかもメイン車種になるだろうと思われるのが、1.8Lエンジンに4速オートマチックを組み合わせたモデルだ。

この1.8Lエンジンは従来どおりのSOHC4気筒だが、細部は大幅にリファインされている。シングルポイントのインジェクションを採用し、試乗したプレミアムガソリン仕様は90psを発生。またレギュラーガソリンを使う75psモデルもあるが、こちらは日本には輸入されないだろうと思われる。

NVH対策には長足の進歩 ボディ剛性の高さを実感

ボディサイズは現行のゴルフIIとほぼ同じ枠に収まっているが、幅は約30mm広がり、日本の5ナンバーリミットの1695mmとなっている。前後を絞り込んだデザインの結果、Cd値は0.30〜0.33と優秀だが、一見するとかなり大きくなったような感じを受ける。しかし、実際に取り回してみると従来型とほとんど変わらない。サイズアップは横方向の居住性と走りのスタビリティ向上に結び付けられている。

走り出してすぐに感じられるのは、質感の大幅な向上である。音や振動に関しては、やはりゴルフ2では最新の日本車に及ばない部分がかなりの場面で見られたが、ゴルフ3では完全にその弱点がカバーされた。まずNVHのノイズとバイブレーションが大幅に減少して、音質も良くなっている。

路面からのロードノイズ的な低い音は入ってくるが、高周波の音はかなり低減され、またガシャガシャという金属音もシャットアウトされた。これによる質的なアップは相当に大きい。むしろ全体定期な音が小さくなった分、ゴーッという風切り音などが耳につくほどだ。

VR6は高速得意のGTカー GTIとの違いは明白

さて、超狭角15度の2.8L V6エンジンを積んで新しいシリーズの頂点に立つVR6は、結論から言ってしまうと、いわゆるスポーティバージョンではなく、グランドツーリングのためのクルマだった。

V6エンジンのフィーリングは非常に快適で、よくできたドイツ製エンジンの典型的な回り方をする。

フラットなトルク特性に加え、低速での粘りは特筆もので、きわめて滑らかに回ってくれる。では高回転はどうかといえば、小気味よい振動とともに軽く吹け上がり、174psにとっては苦もない1180kg(4ドア)のボディを220km/hクルージングの世界へ運んでくれる。

もちろん連続高速走行でもエンジンは快調そのもの。市街地走行からアウトバーンまで、エンジンの使いやすさに関しては非の打ちどころがない。(続きはムックにて・・・)