2023年のF1グランプリも開幕から早1カ月が過ぎ、序盤戦を終えて少しずつ今シーズンの各チームの状況が見えてきた。しかしシーズンはまだ始まったばかり。残り18戦の戦いはどうなっていくのか。どこに注目すべきか。各チームごとに現状を見ていこう。第5回はアストンマーティンF1チームだ。
フェラーリ、メルセデスを凌ぐ好成績をマーク
開幕4戦を終えて、レッドブルに続く、コンストラクターズランキングで2位に立っているのは、フェラーリでもメルセデスでもなく、アストンマーティンF1チーム。
昨シーズンまでは中団グループのひとつと考えられていたが、開幕3戦で3連続表彰台を獲得するなど大躍進。レッドブルを脅かす存在までにはなっていないが、あえてレッドブルと争わない戦略がここまでうまく行っている。
自力で優勝を狙えるところまでのパファーマンスはまだないが、レッドブルになにかあったら、アストンマーティンの優勝もあるかもしれない。
●2023年F1コンストラクターズランキング(第5戦終了時)
1位 レッドブル 224
2位 アストンマーティン 102
3位 メルセデス 96
4位 フェラーリ 78
5位 マクラーレン 14
6位 アルピーヌ 14
7位 ハース 8
8位 アルファロメオ 6
9位 アルファタウリ2
10位 ウイリアムズ 1
今シーズンのマシン「アストンマーティンAMR23」の特徴は、中速コーナーが速く、タイヤに優しいこと。今シーズン、セバスチャン.ヴェッテルにかわってチームに加入したフェルナンド・アロンソの存在も大きい。
100年以上の歴史を持つアストンマーティンは、2016年からレッドブルとテクニカルパートナーシップを結んでF1界に参入、2018年からタイトルスポンサーを務めていた。ワークスチームとして参加するきっかけは、旧レーシングポイントF1チームの共同オーナーである大富豪ローレンス・ストロールがアストンマーティンの会長職に就任したこと。CEOにはメルセデスAMGのトビアス・ムアースが就任し、メルセデスとの関係も深まった。
こうして2021年、レーシングポイントF1チームをリブランドする形でアストンマーティンF1チームが誕生。パワーユニットは資本関係にあるメルセデスから供給を受ける。
●アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・F1チーム
チーム名:アストンマーティンF1チーム
本拠地:シルバーストン/ イギリス
ドライバー:フェルナンド・アロンソ/ランス・ストロール
チーム代表:マイク・クラック
テクニカル・ディレクター:ダン・フォロウズ
シャシ:アストンマーティンAMR23
パワーユニット:メルセデス
ふたり揃っての入賞がパフォーマンスの高さを証明
フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのふたりのドライバーは立ち位置が明確で、チーム内の関係も良好。
ランス・ストロールはチームオーナーであるローレンス・ストロールの御曹司で、豊富な資金をバックにF1デビューを果たしたと思われているが、欧州F3チャンピオンを獲得して2017年にウイリアムズからデビューしており、実力もある。
アストンマーティンF1チームでは、セバスチャン.ヴェッテル、フェルナンド・アロンソの影響を受けながら、このところメキメキと腕を上げており、今季もアロンソの影に隠れているものの、着実にポイントを獲得している。
●フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)
カーナンバー:14
国籍:スペイン
生年月日:1981年7月29日 / 41歳
第1戦バーレーンGP:予選5位/決勝3位
第2戦サウジアラビアGP:予選3位/決勝3位
第3戦オーストラリアGP:予選4位/決勝3位
第4戦アゼルバイジャンGP:予選6位/決勝4位
第5戦マイアミGP:予選2位/決勝3位
●ランス・ストロール (Lance Stroll)
カーナンバー:18
国籍:カナダ
生年月日:1998年10月29日 / 24歳
第1戦バーレーンGP:予選8位/決勝6位
第2戦サウジアラビアGP:予選6位/決勝リタイア
第3戦オーストラリアGP:予選6位/決勝4位
第4戦アゼルバイジャンGP:予選9位/決勝6位
第5戦マイアミGP:予選18位/決勝12位