2023年5月19日、 F1第6戦エミリア ロマーニャGPがイタリア・ボローニャ近郊のイモラサーキットで開幕する。いよいよここから欧州ラウンドに突入、各チームの大幅なアップデートが予想される。またこのグランプリからタイヤの規定が変更となるのも注目点となる。エミリア ロマーニャGPは昨年はスプリントフォーマットで行われたが、今季は通常のスケジュールで開催される。

オーバーテイクが難しくスタートポジションが重要となる

ここまでマックス・フェルスタッペンが3勝、チームメイトのセルジオ・ペレスが2勝と、レッドブルRB19が2023年シーズンを完全制覇している。第5戦マイアミGPではフェルスタッペンが9番手グリッドから圧倒的な勝利を収めるなど、今のレッドブルにとって予選での失敗やアクシデントなど問題にならないようだ。

ただ、今回のエミリア ロマーニャGPはそうとも言切れない。

エミリア ロマーニャGPが行われるイモラサーキット(正式名称アウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)はかつてはイタリアらしい超高速コースだったが、何度かコースが改修されて、タンブレロ、アクア・ミネラリ、バリアンテ・アルタ、バリアンテ・バッサなど有名なコーナーはかつてのものとは少し異なるものとなっている。

ストレート区間はそれほど長くないが高速コーナーが多く、アップダウンがあり、コース幅は場所によって狭くトリッキーで、オーバーテイクが難しい。しかもピットレーンが528mと長いこともあってピットインでのロスタイムが大きく、タイヤ交換は有利な作戦とは言えず、タイヤ戦略で順位を上げるのも難しい。

さらに、全長4909mのコースにさまざまな設定のコーナーが21も配されるのでマシンのセッティングも難しく、さすがのレッドブルにとっても厄介なコースとなるだろう。

タイヤ使用の規定変更はどんな影響を与えるのだろうか

注目点はもひとつ、タイヤを供給するピレリの地元開催となるエミリア ロマーニャGPから、タイヤに関する規定が少し変更となる。

予選Q1にはハードタイヤ、Q2にはミディアムタイヤ、そしてQ3にはソフトタイヤを装着することをチームに義務付ける新しいレギュレーションをテストすることになったのだ。また、それと同時に、各ドライバーが使用できるドライタイヤのセットを13セットから11セットに変更、さらにフルウェットタイヤにタイヤウォーマーを使用する必要のない新しいコンパウンドを採用する。

新しいタイヤ使用の規定はタイヤの消費量を減らすこと、新しいコンパウンドの導入はタイヤウォーマーの使用を制限することを目標とした技術的チャレンジとしている。

エミリア ロマーニャGP開幕に向けて、ピレリは「今回は最も柔らかいタイヤコンパウンドを供給します。 ハードがC3、ミディアムがC4 、ソフトがC5です。コンパウンドの柔軟性が高まることで、より多くのレース戦略が見られるでしょう。 イモラは伝統的にワンストップレースとなりますが、決勝でチームがどのようなタイヤ戦略をとるか楽しみです。ちなみにエミリア ロマーニャGPの開催は昨年より1カ月遅く、気温は高くなることが予想されます」と分析している。

昨年はフェルスタペンが完璧にレースをコントロール

昨年のエミリア ロマーニャGPはスプリントフォーマットで行われ、レッドブルのマックス・フェルスタペンが予選、スプリント、決勝を制して、さらに決勝ファステストラップまでマークして、フルポイントを獲得した。

レースはウエットスタートとなったが、フェルスタペンはポールポジションから楽々とリードを築き、ウエットからミディアム、ミディアムからソフトへのタイヤ交換も無難にこなして独走でトップチェッカーを受けた。

チームメイトのセルジオ・ペレスがフェルスタペンをフォローして2位に入り、レッドブルが完璧な1-2フィニッシュを飾っている。

●【参考】2022年F1第4戦エミリア ロマーニャGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)63周
2位 11 S.ペレス(レッドブル)+16.527s
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+34.834s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)+42.506s
5位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+43.181s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+56.072s
7位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+61.110s
8位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+70.892s
9位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) +75.260s
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+1周
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12位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+1周
13位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+1周
ファステストラップ: 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)

レッドブル独走の勢力図に変化の兆しは現れるのか、レッドブル優位の構図はさらに鮮明になっていくのか。

2023年F1第6戦エミリア ロマーニャGPは、5月19日13時30分(日本時間20時30分)からのフリー走行1回目で開幕、予選は5月20日16時(日本時間23時)、決勝は5月21日15時(日本時間22時)に開始される。

●2023年F1第6戦エミリア ロマーニャGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:5月19日13時30分〜14時30分(日本時間20時30分〜21時30分)
フリー走行2回目:5月19日17時〜18時(日本時間24時〜25時)
フリー走行2回目:5月20日12時30分〜13時30分(日本時間19時30分〜20時30分)
予選:5月20日16時〜17時(日本時間23時〜24時)
決勝(63周):5月21日15時〜(日本時間22時〜)