2022年5月20日、日産自動車(以下、日産)は新型軽のバッテリー電気自動車(BEV)「サクラ」を2022年夏から発売すると発表した。

10年以上にわたって培ってきたBEVの技術を、軽自動車に投入

サクラは、リーフ、アリアに次いで日産としては3モデルめとなる量産型フルバッテリーEVだ。その車名は、日本の電気自動車の時代を彩り、中心となるクルマになって欲しいという願いからつけられたもの。社員から募集したものの中から、日本を象徴する花である桜に由来する名前に決定したという。

兄貴分である「ARIYA(アリア)」が、古代ヨーロッパ語に由来する「威厳」といった重々しい由来を持つのに対して、日本市場をターゲットとしていることがはっきりわかるネーミングだ。70年代に発売されていた「チェリー(日本語で桜)」とも、なにやら関係づけられているのかもしれない。

前輪を駆動するモーターは、最高出力64psと最大トルク195Nmを発生。リーフから育まれてきた日産ならではの優れたモーター制御技術により、滑らかな加速とともに、高速道路の合流も無理なく行える力強さを併せ持つ。

またモーターマウント構造の最適化により、軽自動車としては高水準の静粛性も実現。最小回転半径4.8mという軽自動車ならではの小回り性能と併せて、日常シーンでの快適さに寄与する。さらに、低重心化により走行安定性を高め、段差通過時においても高い乗り心地性能を提供する。

ドライブモードは、「エコ」「スタンダード」「スポーツ」の3段階を設定。アクセルペダルの操作だけで車速をコントロールできるeペダルステップ(いわゆるワンペダル)を搭載し、加減速を繰り返す市街地走行や滑らかな減速が必要な雪道などでの運転を、さらに快適で楽しいものにしてくれる。

駆動用バッテリーは、リーフe+にも搭載している最先端のリチウムイオン電池で、ユニバーサルスタック構造により広い室内空間を確保しながら、航続距離は最大180km(WLTCモード)と、日常生活に十分な数値を実現している。また、バッテリーに蓄えた電気を自宅に給電して家庭用電力として使うこともできるし、もしものときは「走る蓄電池」として、非常時に約1日分の電力(12kWh)をまかなうことができる。

充電は200Vの普通充電とCHAdeMOの急速充電に対応し、バッテリー残量警告灯点灯位置から普通充電なら8時間で100%、急速充電なら約40分で80%充電できる。

上質で洗練された内外装のデザイン

エクステリアは、静けさの中に潜む力強さを表現しながら、次世代の日産らしさを感じさせるフロントフェースと光るエンブレムを採用。大人な落ち着いた雰囲気を感じさせるデザインとしている。軽自動車初のプロジェクタータイプ3眼ヘッドランプや、格子をヒントにしたワイドなLEDリアコンビランプをバックドアに搭載している。アルミホイールは日本の伝統美を感じさせる水引からインスパイアされたデザインとなっている。

インテリアは、7インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイ採用のメーターと、大画面の9インチナビゲーションの2つのディスプレイを水平に配置して、使いやすさに配慮。ハンドルはスポーティさを演出する2本スポークで、本革巻きもオプション設定される。シートには座り心地の良いソファーデザインを採用。シートまわりに収納スペースは豊富に用意されている。

安全装備では、高速道路同一車線での自動運転技術「プロパイロット」の採用に加え、駐車時の操作を自動制御する「プロパイロット パーキング」を軽自動車で初搭載した。また、ニッサンコネクト ナビゲーションシステムでは充電を考慮したルート設定や緊急時のSOSコール、アップルカープレイ ワイヤレス接続機能などを用意して、機能も充実させている。

車両価格は、以下のとおり。駆動方式はいずれもFWDで、バッテリー容量も20kWhで共通。クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(55万円)を活用した場合、実質購入価格は約178万円からとなる予定だ。

なお、日産 サクラは[同日に発表された三菱 eKクロスEV]と姉妹車にあたり、どちらも岡山県の三菱自動車 水島製作所で生産される。

●■日産 サクラ ラインナップ

S:233万3100円
X:239万9100円
G:294万0300円

●■日産 サクラ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:1070〜1080kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:47kW
●最大トルク:195Nm
●バッテリー総電力量:20kWh
●WLTCモード航続距離:最大180km
●駆動方式:FWD
●車両価格(税込):233万3100円〜294万300円