1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ゴードン・マレー T.50だ。

ゴードン・マレー T.50(GORDON MURRAY T.50:2020〜)

ゴードン・マレーは、1980年代のF1GPではブラバムやマクラーレンのマシンを手がけてワールドチャンピオンの座を獲得させたレーシングカー デザイナーだ。その後、ロードカー デザイナーに転身し、[「マクラーレン F1」]や[「SLR マクラーレン」]などのスーパースポーツカーを設計している。

2017年にゴードン・マレー オートモーティブを設立し、2020年に初めて世に送り出したモデルが、この「T.50」となる。車名の「50」は、マレーのキャリアが50年を迎えることと、彼が50番目にデザインしたモデルであることに由来している。マクラーレン F1をオマージュしたといわれるT.50は、サイズもマクラーレン F1とほぼ同じで、スタイリングも、マクラーレン F1を現代風にアレンジしたようなデザインだ。

しかも、マクラーレン F1の特徴だった中央に運転席を、その両脇に少しオフセットして2座席を備える3シーター レイアウトを踏襲している。ドアはディヘドラル式を採用しているのはもちろん、エンジンフードもガルウイング式に開閉する。シャシやボディパネルはフルカーボンファイバー製で、車両重量はわずか986kgに抑えられている。

ミッドシップ搭載されるパワーユニットは、コスワースと共同開発した3.9Lの自然吸気V12 DOHCで、最高出力の663psは11500rpm!で、最大トルクの467Nmは9000rpmで発生するという超高回転指向のエンジンだ。48Vのマイルドハイブリッドシステムも搭載し、トランスミッションはXトラック社製の6速MTを組み合わせる。

また、マレーが1978年にブラバムF1でトライした大型ファンを車体後部に装着して、フロア下の空気を外へ排出し、強力なダウンフォースを発生するシステムも採用している。このシステムには可動式リアウイングも組み合わされ、ダウンフォースを最大50%増加させ、空気抵抗は12.5%削減するという。

T.50は100台の限定生産で、2021年にはグッドウッドでデモ走行も行い、2023年から生産が開始された。車両価格は税別で236万ポンド(発表当時のレートで約3億2500万円!)とされているが、既に完売している。日本からも数台がオーダーされているようだ。

●全長×全幅×全高:4352×1850×1164mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:986kg
●エンジン種類:65度V12 DOHC
●総排気量:3994cc
●最高出力:663ps/11500rpm
●最大トルク:467Nm/9000rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・80L
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前235/35R19、後295/30R20