2022年、日本の自動車市場で最初のブランニューモデルは、1月7日に発表されたシトロエンの新型C4だった。すでに[Webモーターマガジンでも概要は紹介した]が、最近のシトロエンの動向と新型C4について、ふり返っておきたい。(タイトル写真は新型C4とグループPSAジャパンのポンタス・ヘグストルム 代表取締役社長 兼 CEO)

コロナ禍でも堅調に販売台数を増やすシトロエンの要因は?

シトロエンの属するグループPSAと、FCA(フィアット クライスラー オートモービルズ)は2021年に統合し、ステランティス グループとなった。日本法人こそグループPSAジャパンとFCAジャパンで独立したままだが、既に両社はリンクしており、近い将来に「ステランティス ジャパン」が誕生するのではないだろうか。

さて、そんなステランティス グループは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界的に販売台数が伸び悩む2021年の自動車市場において、日本では前年比10%増の4万4000台以上を販売するという、なかなか好調な結果を残した。なかでも、シトロエンは8年連続で販売台数を増やしており、2021年は前年比17%増の5800台以上を販売している。

グループPSAジャパンのポンタス・ヘグストルム代表取締役社長 兼 CEOによれば、これには3つの要因があるという。

1)2019年に限定発売され、2020年からカタログモデルとなったMPV「ベルランゴ」の販売が好調なこと。2021年に販売されたシトロエン車の約半分がベルランゴであったという。
2)そんなベルランゴをはじめとする、個性的なプロダクトが人気を集めたこと。
3)オンラインの発表会やオフラインのイベントなど、ハイブリッドなコミュニケーション戦略が成功したこと。

最近では、各地で行われるイベントでニューモデルを発表することも多い。[2021年11月に下北沢で開催されたイベントで新型C3エアクロスSUVを発表]したり、今回も[代官山 蔦屋書店で新型C4のデビューイベント]を行った。

2022年のシトロエンは、新型C4を皮切りに魅力的なモデルを導入し、スペシャルな年にするという。では、そんな新型C4の概要をおさらいしておこう。

BEVのE-C4も同時に導入してCセグメントに再参入

新型C4は、シトロエンが久しぶりにCセグメント市場に導入するハッチバックモデルだ。グループPSAジャパンの水谷昌弘シトロエンプロダクトマネージャーによると、2021年11月までの日本の純輸入車市場は約25万9000台、そのうち約31%の約7万2000台がCセグメント。そしてCセグメントのボディタイプで、一番人気がSUVで45%、次いでハッチバックが25%だという。

そんなCセグメントに再参入するC4は、ハッチバック スタイルながら最低地上高は170mm、タイヤの直径は690mmと大径化することで、アイポイントはライバル車よりも7〜12cmも高められている。SUV的なドライビングポジションで視認性を良くすることで、安全性を高めているというわけだ。

2016年のパリモーターショーで発表されたコンセプトカーの「Cエクスペリエンス」や2019年に創業100周年を記念して発表された「19_19コンセプト」からインスパイアされたデザインは他に類を見ない独特のもの。

インテリアはシンプルだがピアノブラックとサテンクロームを効果的に用いたモダンなもの。ステアリングコラムのスイッチを廃し、ADAS(運転支援)やオーディオなどのリモコンスイッチはステアリングスポーク部に配され、親指で操作可能になった。そのADASはフラッグシップのC5エアクロスSUV並みの装備となっている。

また、ICE(内燃機関)搭載車のC4と同じパッケージングでBEV(バッテリー電気自動車)のE-C4も登場した。グループPSAでは、シトロエンに限らずプジョーやDSでも「パワー of チョイス」というコンセプトで、BEVを専用モデルにせず、ラインナップの中でICEかBEVかを選べるようにするモデルが多い。このC4も、日本仕様でICEにディーゼルとガソリン、そしてBEVのE-C4が選択できるのもセールスポイントだ。グループPSAジャパンでは、2022年のC4の販売比率は、ガソリンが20%、ディーゼルが70%、BEVが10%と見込んでいる。

Cセグメント ハッチバックはフォルクスワーゲン ゴルフを筆頭に多くのライバルがひしめく激戦区。シトロエンの伝統と革新を融合した新型C4は、すでに多くのシトロエンファンから注目を集めているようだ。

最後に、C4のトリビアを。新型C4は、ブランドロゴであるダブルシェブロン(山型)を、さまざまな箇所にディテールとしてあしらっている。これはぜひ実車で確認してもらうと、なかなか楽しめるだろう。(文と写真:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)

●■シトロエン C4 シャイン ブルーHDi 主要諸元

●全長×全幅×全高:4375×1800×1530mm
●ホイールベース:2665mm
●車両重量:1380kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1498cc
●最高出力:96kW(130ps)/3750rpm
●最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:軽油・50L
●WLTCモード燃費:22.6km/L
●タイヤサイズ:195/60R18
●車両価格(税込):345万円

●■シトロエン E-C4 エレクトリック 主要諸元

●全長×全幅×全高:4375×1800×1530mm
●ホイールベース:2665mm
●車両重量:1630kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
●最大トルク:260Nm/300−3674rpm
●バッテリー総電力量:50kWh
●WLTCモード航続距離:405km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:195/60R18
●車両価格(税込):465万円