2021年9月11日、F1第14戦イタリアGPのスプリント予選が行われ、パワーユニット交換で決勝の最後尾スタートが決まっているバルテリ・ボッタス(メルセデス)がトップでフィニッシュした。これによりボッタスは3ポイントを獲得したが、日曜の決勝は最後尾からのスタートとなる。2位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンで2ポイントを獲得するとともに、決勝ではポールポジションからスタートすることになった。ルイス・ハミルトン(メルセデス)はスタートに失敗して5位、決勝は4番グリッドスタートとなる。

ハミルトンは5位でボーナスポイント獲得できず

18周のスプリント予選は気温29度、路面温度42度という金曜日よりもさらに暑いコンディションの中で開始。大半のマシンがミディアムタイヤでスタートする中、マクラーレン勢、アストンマーティン勢、アルピーヌ勢、そして角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はソフトタイヤを選択して始まった。

スタートでは最前列のボッタスが好発進を決める一方、2番グリッドのハミルトンは出遅れ、フェルスタッペンが2番手に上がる。ハミルトンはマクラーレン勢にも先行を許して5番手に後退。ここでダニエル・リカルド(マクラーレン)と接触したピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)がクラッシュしてセーフティカー導入となった。

レースは4周目に再開されたが、ボッタスが危なげなくトップの座を守る一方で、フェルスタッペンはボッタスの決勝最後尾スタートがわかっているので、無理せず後ろをケアしながら追走。後続にも大きな混乱もなく、次第にマクラーレン勢は上位2台に着いていけず離され、5番手ハミルトンはそのマクラーレン勢をオーバーテイクできないままチェッカーとなった。

これで、ボッタスのグリッド降格により、フェルスタッペンの3戦連続今季8度目のポールポジションが確定。ハミルトンは5番手で、決勝ではマクラーレン勢をはさんで2列目4番グリッドからフェルスタッペンを追うことになった。

なお、スプリント予選の上位3台に、3-2-1点のボーナスポイントが与えられた。

序盤の混乱でホンダ勢は明暗分ける結果に

ホンダ勢では、ガスリーはセーフティカー導入のきっかけとなったクラッシュでリタイア。リカルドとの接触でフロントウイングがマシンの下に潜り込む形となり、高速コーナーのグランデでコントロールを失いコースアウトしてしまった。

角田裕毅も、スタート直後にロバート・クビサ(アルファロメオ)と接触してフロントウイングを破損。角田はフロントウイング交換のため最後尾まで後退したものの、追い上げて16位でフィニッシュした。

一方、9番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は序盤のバトルでポジションを落としたものの、順位を挽回して9位でスプリント予選を終えている。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「今日のスプリント予選では、3番手からスタートしたフェルスタッペン選手がポジションを1つ上げて2位を獲得。明日はポールポジションからのスタートとなります。ペレス選手はスタートでポジションを落としたもののオーバーテイクが難しい状況の中で、スタートポジションと同じ9位まで挽回して終了しました。角田選手もスタート直後に接触があり、フロントウイングを交換。最後尾まで下がりましたが、そこからいいオーバーテイクを見せて16番手までポジションを取り戻すことができています。6番グリッドからスタートしたガスリー選手が、スタート直後の混乱での接触によってリタイアとなったことは非常に残念です。決勝レースでは、通常のレースフォーマットとは異なり、スタート時に使用するタイヤのコンパウントは自由になります。今日は2つのチームで明暗が分かれてしまいましたが、各チームはさらに戦闘力を上げるべく色々な検討を加えた戦略を立てて臨みます」とコメント。各ドライバーは次のように語っている。

●マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「このようなコースでポールポジションからスタートできるのはとてもポジティブです。今日はいいスタートが切れて、予想以上に上手くいきました。チャンピオンシップポイントも獲得できましたし、明日先頭からスタートできるのも素晴らしいことです。今日はバルテリ(ボッタス)に近づくべく全力を尽くしましたが、明日はルイス(ハミルトン)が4番手からのスタートでペースも僕らよりいいと思うので、タフなレースになると予想しています。僕らがここではメルセデスより速さがないことは分かっています。明日はクリーンなスタートを決めて、序盤で少し差を広げられればと思いますし、終盤でそれが重要になるはずです。面白いバトルになるでしょうし、何が起きるかを見ながら、プッシュし続けて最良の結果を出せるように取り組んでいきます」

●セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

「明日のレースではチャンスがあると思います。8番手スタートで、戦略によって順位を上げる機会が増えるはずです。もう少し順位を上げておきたかったのですが、スタートがあまりよくなくて、追い抜きも厳しかったです。今夜はペース向上のためにハードワークに取り組みますが、レースを楽しみにしています」

●角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「フラストレーションの溜まる一日でした。いいスタートが決まり、いくつかポジションを上げてターン4へ入りましたが、クビサ選手と接触してフロントウイングにダメージを負ってしまいました。その交換のためにピットインした後は、挽回するドライビングができたと思いますし、順位を上げられました。マシンの感触はよく、ペースもかなりよかったです。ソフトタイヤでのチャンスを最大に活かせたので、この経験を明日のレースにもつなげたいです。厳しい戦いになると思いますが、ポイントを目指して順位を上げることが目標です」

●ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

「とても残念で、いい一日にはなりませんでした。ミディアムタイヤで素晴らしいスタートが決まり、ランド(ノリス)とルイス(ハミルトン)をパスすることができました。ターン1でのダニエルの動きに少し驚き、彼の後部にわずかに接触してフロントウイングにダメージを負いました。最初はそれがどのくらいひどいのか分かりませんでしたが、完全に破損していて、ターン3ではマシンの下に入ってしまったので、全く曲がることができずにウォールへ真っすぐ行ってしまいました。明日の目標は、もちろんポイント獲得にトライすることです。リプレイを見返し、オーバーテイクが可能な場所を検討します。ここでは何が起きてもおかしくありませんが、明日は挽回に向けてベストを尽くします」

タイヤを供給するピレリは「イタリアGPで予想される最速の戦略は、ミディアムからソフトへの1ストップです。 ただ、そのほかの良いオプションも考えられます。スプリント予選によりフリー走行の時間は短縮されていますが、決勝と同様の条件下で行われたスプリント予選で大量のデータを収集することができました。 また、今回はスタートのタイヤを自由に選択できるので、可能性は通常よりも開かれています。明日の決勝では、3つのコンパウンドすべてがレース戦略において有効な役割を果たすことを期待しています」と分析している。

第14戦イタリアGPの決勝レースは日本時間9月12日22時(現地時間15時)に開始される。スプリント予選は18周で行われたが、決勝は53周で戦略も大きく変わる。なお、決勝レースのスタートタイヤは自由に選択できるが、車両保管となっているためマシンセッティングの変更は行うことはできない。

●2021年F1第14戦イタリアGP スプリント予選 結果

1位 77 V.ボッタス(メルセデス)18周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+2.325s
3位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+14.534s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+18.835s
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+20.011s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+23.4228s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+27.952s
8位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)+31.680s
9位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+31.680s
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) +38.671s
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16位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+49.977s
20位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)リタイア
※ V.ボッタス(メルセデス)はパワーユニット交換のため決勝では最後尾スタート。以下、スターティンググリッドの順番は繰り上がる。