「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、レクサス IS350 Fスポーツだ。

レクサス IS350 Fスポーツ(2010年:マイナーチェンジ)

レクサス ブランドの国内展開が始まって、今年(編集部註:2010年)で5年を迎えた。この間にモデル バリエーションも着実に増えてきている。たとえば、ここで紹介するスポーティセダンのISに追加設定された「Fスポーツ」は、ユーザーの好みにキメ細かく対応して行こうというレクサスの姿勢が見えてくるという点で興味深い。

1999年にデビューしたレクサス ISの初代モデルは、日本では販売網の関係で「トヨタ アルテッツァ」として登場したが、2005年に発表された2代目からは、前述のように日本でもレクサス ブランドが展開したのでISとして販売されるようになる。

登場以来5年を経たISだが、いまのところ次期型の噂は出てこない。それどころか、8月のマイナーチェンジで「Fスポーツ」という新グレードが追加設定された。これは、5LのV8エンジンを搭載するスーパースポーツセダン「IS F」のイメージを、標準車のIS250/IS350にインストールしたスポーティグレードだ。

これはMモデルを頂点とし、標準車にMスポーツを展開するBMWなど、多くの欧州ブランドに見られる手法だ。レクサスの場合は富士スピードウェイにちなんだ「F」がスポーツモデルの共通イニシャルというわけだ。このFスポーツはシリーズ化されるようで、以前にプロトタイプを紹介したように、[間もなく発売予定のCT200h]へのラインアップも決定している。

FRらしい挙動を十分に楽しめるスポーティセダン

今回試乗したのは、IS350 Fスポーツ。標準のバージョンTやLとの違いは主に内外装で、Fスポーツはグリルがメッシュ調となり、フロントにバンパースポイラー、リアにトランクリッドスポイラーが追加される。ガンメタリック塗装の18インチ アルミホイールも専用デザインだ。

インテリアも、ステアリングやシフトノブはFスポーツ専用。ステンレス製のスカッフプレートも配される。シートはヌバック調ファブリック/本革のコンビが標準装備なのだが、今回の試乗車はオプションのセミアニリン フルレザー仕様。いずれもFスポーツだけに設定されたアイテムだ。

足まわりは、18インチ タイヤ用にセットされたスポーツサスペンションを装着しているが、これはバージョンTにも採用されているし、Lでもオプション選択可能なので、あまり特別感はない。

とはいえ、このIS350 Fスポーツはスポーツセダンとしてのまとまりはかなり良い。伸び側の減衰が強く、うねりのある道ではやや揺すられ感があるものの、直接的な突き上げをうまくいなした乗り心地は十分にしなやかだ。実際、タイヤの接地性も高くコーナーで積極的にアクセルを踏んでいけるため、FRらしい挙動を十分に楽しめる。剛性のあるステアフィールも、大きな魅力と言えるだろう。

最高出力318psと最大トルク380Nmを発生する3.5Lの直噴V6 DOHCは十分にパワフルだ。ただ、F「スポーツ」を名乗るなら、エキゾースト サウンドをチューニングするとか、もう少し演出も欲しかったところだ。

●■レクサス IS350 Fスポーツ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4585×1795×1430mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1600kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3456cc
●最高出力:234kW<318ps>/6400rpm
●最大トルク:380Nm<38.7kgm>/4800rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:10.0km/L
●タイヤ:前225/40R18、後255/40R18
●当時の車両価格(税込):538万円