2023年のF1グランプリも開幕から早1カ月、序盤戦を終えて少しずつ今シーズンの各チームの状況が見えてきた。しかしシーズンはまだ始まったばかり。残り19戦の戦いはどうなっていくのか。どこに注目すべきか。各チームごとに現状を見ていこう。第1回はオラクル・レッドブル・レーシングだ。

開幕3戦で3連勝、ライバルを速さで圧倒

昨年のチャンピオンチームであり、今年もチャンピオン最有力候補と言われている。開幕3戦では3連勝(第1戦と第2戦、第4戦は1-2フィニッシュ)を記録、早くも「今年のコンストラクターズチャンピオンは決まり」という声さえ上がっている。

フリー走行や予選からライバルを圧倒するだけでなく、第2戦サウジアラビアGPではマックス・フェルスタッペンが予選15位から決勝では2位までポジションアップ、続く第3戦オーストラリアGPではセルジオ・ペレスが最後尾から決勝では5位に入るなど、むしろ決勝で段違いの速さを見せている。

チーム戦略やピットワークにも隙がなく、ふたりのドライバーの関係も(表向きは)良好で、レッドブルを中心に今年のグランプリが展開していくのは間違いない。

今季型レッドブルRB19は昨年型をベースにダウンフォースを増やして、ストレートもコーナーも速くタイヤに優しいマシンへと進化。事実上ホンダのワークスエンジンと言われる「ホンダRBPT」のパワーユニットは、とくにERS(エネルギー回生システム)の部分でライバルに対してアドバンテージがあると言われている。

●●オラクル・レッドブル・レーシング

チーム名:レッドブル・レーシング
本拠地:ミルトン・キーンズ / イギリス
ドライバー:マックス・フェルスタッペン/セルジオ・ペレス
チーム代表:クリスチャン・ホーナー
テクニカル・ディレクター:ピエール・ワシェ
シャシ:レッドブルRB19
パワーユニット:ホンダ RBPT

チームメイト同士の熾烈なタイトル争いを展開?

問題があるとすれば、やはりふたりのドライバーの関係だろうか。

2021年、2022年と、ペレスがエースのフェルスタッペンをサポートする形で連携してライバルを打破してきたが、連携する必要がなくなった時どうなるか。第2戦サウジアラビアGPでフェルスタッペンを抑え込んでペレスが優勝したことで、ふたりでドライバーズチャンピオンシップを争う可能性も見えてきた。

フェルスタッペンはレッドブル育成ドライバーとして2015年に19歳でトロ・ロッソからF1デビュー、2年目の2016年第5戦からレッドブルに昇格すると、2017年に2勝、2018年にも2勝と結果を出して、2021年、2022年と2年連続ワールドチャンピオンに輝いている

一方のペレスは2011年に小林可夢偉のチームメイトとしてザウバーからF1デビュー。2013年にマクラーレンに移籍し、フォース・インディア、レーシングポイントとチームを変えてきたがなかなかマシンと運に恵まれず、2020年にF1参戦190戦目にしてレーシングポイントでようやく初優勝を成し遂げた。レッドブルには2021年から加入。タイヤマネージメントに長け、安定した速さを見せるドライバーとして知られる。

●マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)

カーナンバー:1
国籍:オランダ
生年月日:1997年9月30日 / 25歳
第1戦バーレーンGP:予選1位/決勝1位
第2戦サウジアラビアGP:予選15位/決勝2位
第3戦オーストラリアGP:予選1位/決勝1位
第4戦アゼルバイジャンGP:予選2位/決勝2位

●セルジオ・ペレス(Sergio Perez)

カーナンバー:11
国籍:メキシコ
生年月日:1990年01月26日 / 33歳
第1戦バーレーンGP:予選2位/決勝2位
第2戦サウジアラビアGP:予選1位/決勝1位
第3戦オーストラリアGP:予選20位/決勝5位
第4戦アゼルバイジャンGP:予選3位/決勝1位