2021年11月19日から21日、WRC(世界ラリー選手権)第12戦最終戦ラリー・モンツァがイタリア・ミラノ近郊のアウトドローモ・モンツァをベースに開催され、トヨタのセバスチャン・オジェが優勝、8度目のドライバーチャンピオンに輝いた。2位はタイトルを争ったチームメイトのエルフィン・エバンス。トヨタは2018年以来のマニュファクチャラーズ王座を確定、マニュファクチャラー/ドライバー/コドライバーの3冠を達成した。

オジェとエバンスによる王座をかけたマッチレース

11のラリーを巡ってきた2021年のWRCもいよいよ最終戦、ドライバーズ選手権はトヨタのオジェとエバンスが17点差、マニュファクチャラーズ選手権はトヨタがヒュンダイに大差をつけた状況でフィナーレを迎えた。

選手権登録3台のうち1台が完走すればマニュファクチャラーズ選手権獲得が確実となるトヨタは、3台目のカッレ・ロバンペラに「ペースを落として絶対完走」の指示を出し、ドライバーズ選手権を争うふたりを自由に戦わせる戦略をとる。

一方、ライバルのヒュンダイ勢はダブルエースのひとり、オィット・タナックが家庭の事情で欠場、テーム・スニネンを代役に据えたものの大幅な戦力ダウンは否めない。

予想どおり、スタートからラリーの主導権を握ったのはオジェとエバンスのふたり。金曜午前の山岳ステージでオジェがリードすれば、午後のモンツァサーキットでの特設ステージではエバンスが逆襲。初日はエバンスが首位で終える。

ラリー2日目も、トヨタのふたりはステージごとに首位を入れ替える緊迫のシーソーゲームを展開。ヒュンダイ勢は頼みのヌーヴィルがガードレールにヒットして大きくタイムロスし、トヨタ2台を追える状況ではなくなった。結局この日はオジェが最後のステージでまたもエバンスを逆転して、1日を終えた。

オジェが優勝と8冠達成で有終の美を飾る

モンツァサーキット内での3ステージを残したラリー最終日、ふたり差はわずか0.5秒。最初のステージでオジェがコンクリート製のシケインに右フロントをタッチさせるというあわやの場面があったものの、オジェはエバンスと同タイムで終える。

ふたりの激しい争いに決着がついたのは続くSS15だった。エバンスがブレーキロックからスピンして大きくタイムロス。オジェも前ステージのミスから慎重な走りに徹して4番手タイムと冴えなかったが、ここで両者の差は決定的な7.6秒に広がった。

そして迎えた2021年の最終ステージ、まずロバンペラが無事にフィニッシュしてトヨタの2018年以来のマニュファクチャラーズ王座を確定。そしてエバンス、続いてオジェもゴールし、オジェの通算54勝目、8度目のドライバーズ王座が確定した。今シーズン限りでフル参戦から退くオジェ、オジェとのコンビを終えるコドライバーのジュリアン・イングラシアにとっては、最高のフィナーレとなった。

初のトップカテゴリーでのフル参戦となった日本の勝田貴元は最終パワーステージで3位=4ポイントを追加して7位で今シーズンを終えている。

2022年シーズンからWRCのトップカテゴリーはハイブリッドシステムを備える「Rally 1」に移行。新しい戦いは、2022年1月20〜23日、開幕戦ラリー・モンテカルロから始まる。

●2021年WRC第12戦最終戦ラリー・モンツァ結果

1位 S. オジェ(トヨタ ヤリス WRC) 2h39m08.6s
2位 E. エバンス(トヨタ ヤリス WRC) +7.3s
3位 D. ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+21.3s
4位 T. ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+32.0s
5位 O. ソルベルグ(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+1m32.0s
6位 T.スニネン(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2m22.6s
7位 勝田 貴元(トヨタ ヤリス WRC) +2m34.5s
8位 G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC) +2m50.2s
9位 K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC) +4m49.6s
10位 A.クルニョラ(ヒュンダイ i20 N Rally2) +9m06.9s

●2021年WRCドライバーズランキング

1位 S.オジェ(トヨタ)230
2位 E.エバンス(トヨタ) 207
3位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ)176
4位 K.ロバンペラ(トヨタ) 142
5位 O.タナック(ヒュンダイ)128
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7位 勝田貴元(トヨタ)78

●2021年WRCマニュファクチャラーズランキング

1位 トヨタ 522
2位 ヒュンダイ463
3位 Mスポーツ フォード 202