フィギュアやプラモデルなどの企画・制作を行っているマックスファクトリー社。そのラインナップに耕うん機や除雪機などHondaのパワープロダクツを1/20スケールで忠実に再現した人気プラモデル「みのり with Honda」シリーズがある。そのシリーズの最新版が船外機で登場した。ここでは企画を担当するマックスファクトリー社の高久氏に、開発の裏側を聞いた。(MotorMagazine 2025年4月号より)
Hondaのパワープロダクツを1/20スケールで忠実に再現
− 今回は、みのりちゃんシリーズの何作目ですか。
高久「商品としては第四弾ですが、機械としては、三種類目です」
− 今回は船外機ですが、これは自然な流れだったのですか。
高久「Hondaと取り組んだ『人と機械が一緒にいる景色シリーズ』は、耕うん機、除雪機と続いたので、第三弾もなにかやりたいという話はしていました」
− 他に候補はあったのですか。
高久「プラモデルユーザーが、メカニカルな魅力を楽しめるアイテムは何かな、と考えたときに頭の中に船外機もいいなと浮かんでいました。Hondaのパワープロダクツにありましたし、商品化するしないは別にどのようなものがあるか調べていました。すると機械としては面白いものだと気が付き、次に何をやるか話し合ったときに船外機にしようと意見が揃って方向性が決まりました」
耕うん機、冬の除雪機に続く第3弾は夏の船外機
− 最初からBF350(以下350)だったのですか。
高久「350は発表前だったのでBF250(以下250)で考えました。春に使う耕うん機、除雪機は冬と製品に季節感はとても大切で、次は夏がいいと考えたのも船外機を選んだ理由のひとつです」
− 250で制作が始まっていた。
高久「どのぐらいの大きさなのか知るために、1/20スケールの簡単なモックアップを3Dプリンターで出力して作りました。シリーズとしてボリューム感が問題ないことを確認しました。その後、マリン事業部へ協力をいただきに伺いましたが、その時に『せっかくなら9月のジェノバで発表された新しい350はいかがですか』と逆オファーをいただきました」
この中にV8エンジンが収まっているのが信じられない
− 350を初めて見た印象は。
高久「実際に製品を見て意匠やボディのシェイプが洗練されていると感じました。この中にV8エンジンが収まっているのが信じられないほどです。驚きました」
− 船がないのはどうしてですか。
高久「フィギュアと機械が絡むのが、このシリーズの必須条件です。季節は夏で、開放的なみのりちゃんにするのは考えていましたが、船外機という機械の性質を知ってもらい、そして横に人がいることを考えると必然的に陸に上げざるを得ないのです。プラモデルの世界では、エンジンを組み立てるのはとてもポピュラーな方法です。クルマの模型でもエンジンが入っていてそれを組むのは珍しいことではありません。パーツ数も、クルマのV8エンジンを組む模型と同じようなボリューム感です」
− 制作時間はかかりましたか。
高久「だいぶ早かったですね。これまでとはまったく違いました。Hondaの船外機は伝統的に透視図があり、メカニズムがよくわかるのです。耕うん機のときは資料がなくてとても苦労しましたから(笑)。船外機はエンジンそのものですし、250と350の内部構造の共通点や違いなど、実際に量産の組み立てが始まってからは、実機に触れたり、現場を取材できたので内部の構造までとてもスムーズに理解できました。製品では、樹脂カバーが外せることにはとてもこだわったところで、金型も時間をかけて調整しています」
− 細部まで造り込んでいますね。
高久「Hondaのエンジンへのこだわりや特徴を出したかったのです。細かい話ですが、350ではオイルフィルターが斜めに出ています。これはオイルフィルターを交換するときに海へとこぼれないよう環境へ配慮した工夫なのですが、これは絶対に再現しないとダメだと考えました。さらにマリーナで船外機を載せる台座まで忠実に再現しています」
− 開発陣も驚く精密さで完成度も高いと聞きました。次の展開は。
高久「予測できない製品で『えっ、そっちに行くんだ』と驚いてもらいたいと思っています。違うシチュエーションを作るのがこのシリーズです。次に何をやるかわからない方が面白くありませんか? パワープロダクツの多様性を活かし、形の違うもの、機能の違うもの、それで『エンジンがあってその横にみのりちゃんがいる』という景色が作れたらと思ってます」
(聞き手:千葉知充 写真:井上雅行)


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