「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ルノー メガーヌだ。

ルノー メガーヌ(2011年:3代目フルモデルチェンジ)

3代目にフルモデルチェンジされたルノーのCセグメント ハッチバック、メガーヌが日本に導入された。スタイリングは先代よりオーソドックスなものになったが、日産と共同開発したエンジンとCVTを搭載した走りは、ドイツやフランスのライバルに負けないものだろうか、試してみた。

実車を見た第一印象は「ずいぶん普通になってしまったな・・・」だった。特徴的なリアのデザインは消えてしまったが、ルノー車としては初めてデジタルデザイン技術でのみ描かれたという、低くワイドに見える(実際は幅が広くなったので低く見えるだけ)フォルムは、コンサバティブではあるものの「デザイン for ザ・ドライバー」がコンセプトというだけあって、スポーティな走りを予感させる。そしてその予感どおり、走り味はフランス車らしさにあふれる、喝采を贈りたい出来映えだった。

フランス車と言えば、小さな排気量のエンジンを高回転までブン回すのが得意だが、メガーヌに搭載されるのは、ルノーと日産が共同開発した2L。トランスミッションは6速マニュアルモード付きのCVT。6速100km/hで2250rpmというエンジン回転数は、最近の燃費考慮型のライバルと比べると回転数がやや高めだ。レスポンスの良いパワーの出し方は見事だが、そうなると気になるのは燃費数値。未発表だが、CVTとの組み合わせは、さほど悪いものではないと思われれる。

そして何よりフランス車らしいのは走り味だ。パッと乗って、いきなり踏んでいってもOK。どんなスピード領域でも安心して運転できるというのがフランス車の特徴だが、お見事!と言いたくなるくらい、うまく具現化されていた。

ノーマルの出来が良いから、あのメガーヌR.S.が生まれた

先代の足まわりは、リアに比べるとフロントがややあいまいな印象があったが、新型はフロントの剛性をいかに上げるかということに注力され、新型サブフレームなどの採用により横剛性を3倍アップ。ハンドリングの正確性が増している。

リアもメガーヌR.S.と同じ、パイプ形状リアアクスルの採用やブッシュ類の変更などにより、踏ん張り感はそのままに乗り心地の良さが加えられている。

よりスポーティなのは、17インチタイヤを履いたGTライン。見た目だけのコスメティックモデルではなく、ルノースポールが関わって開発されたスポーティグレードというだけあって、ローダウン化&バネレート向上など、きちんとセッティングが出されたものとなっている。

個人的には、ややコンフォートなプレミアムラインが気に入った。乗り心地の良さとライントレース性、リニアなステアフィール、初対面で峠道を踏んでいける安心感と、バランスは申し分なし。先に導入されたメガーヌR.S.の実力は、このベースにあったようだ。

●■ルノー メガーヌ GTライン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4325×1810×1460mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1340kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1997cc
●最高出力:103kW<140ps>/6000rpm
●最大トルク:195Nm<19.9kgm>/3750rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置き FF
●10・15モード燃費:未発表
●タイヤ:205/50R17
●当時の車両価格(税込):275万円