ハイウエイ ドライブの楽しみのひとつといえば、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)での食事やおみやげ。今回は、東北自動車道・国見SA(下り)のグルメを紹介しよう。

2020年秋にリニューアルオープンした国見SA(下り)

東北道で福島県の最も北にあるSAが国見SA(下り)です。数百メートルも北に行けば宮城県で、SA自体は県境となる国見峠の近くにあります。その国見SA(下り)は、2020年秋のリニューアルで「ドラマチックエリア国見(下り)」と呼ばれるようになりました。「ドラマチックエリア」とは、地域の中核となるSA/PAの中から、その地域ならではの「旅のドラマ」を演出するエリアにNEXCO東日本が与える称号です。

「ドラマチックエリア国見(下り)」は、東北と関東をむすぶ交通の要衝の宿場町として栄えた歴史と、年間を通して豊かな農作物に恵まれる環境から「四季見宿(しきみしゅく)」をコンセプトに、四季折々の賑わいを感じられる空間として作られています。

福島自慢の郷土料理「イカニンジン」は、不思議食感が癖になる

このドラマチックエリア国見(下り)で、ぜひ食べてみて欲しいグルメがあります。それが「国見いか人参丼」(1080円)。フードコートの「和食屋 はらくっち」で提供されているメニューです。で、注目していただきたいのが、福島北部の郷土料理である「いか人参」です。

簡単に説明すると、「国見いか人参丼」の具を見ると、白い部分に「イカの刺身」がありますが、これは「いか人参」ではありません。「いか人参」は、その隣の赤い部分だけ。この細切りの漬物が「いか人参」なんです。

郷土料理の「いか人参」が生まれたのは冷蔵庫のなかった江戸時代。海から遠い福島の中通りでは、生のイカなんて食べられるはずもありません。そこで干したイカ、つまりスルメを細切りにしたニンジンとともに漬けたものが「いか人参」となります。

そして2年前、国見SAのリニューアルにあわせてオリジナルメニューとして考案されたのが、この「国見いか人参丼」なのです。基本的に素朴な家庭の味である「いか人参」に、ちょっとぜいたくにコウイカの刺身と、トロロをプラスしたというのが特徴です。

では、そのお味は、どんなものなのか。「いか人参」は、スルメの旨味とニンジンの食感がまざった独特の味。これは単体なら、お酒のつまみにピッタリです。ご飯との相性もいいでしょう。それに、トロっと甘いイカの刺身とトロロ、さらに大葉を、ちょびっとのワサビ醤油とあわせて混ぜていただくと、甘み、旨味、塩味、辛味などが混然一体となった、独特のおいしさが味わえます。さっぱりとしているので、女性やお年寄りに特に人気が高いとか。「いか人参」を食べたことのない人は、ぜひ、ここで体験してみることをおすすめします。

これからの暑い時期にオススメの「喜多方冷やしラーメン」

ドラマチックエリア国見(下り)で、もうひとつのオススメが「喜多方冷やしラーメン」(880円)です。こちらもフードコートの「麺屋 喜多方」のメニューとなります。

喜多方ラーメンといえば、福島きってのご当地ラーメン。それを「冷やして」いただこうというのが、こちらのメニュー。「福島ではラーメンを冷やす文化があるの?」と店員さんに聞いてみれば、「そういうものはありません。ただ、お客様からの要望がありました。そこで山形の冷やしラーメンを参考に、2年前のリニューアル時から提供しています」とか。確かに、山形には冷やしラーメンの文化があります。つまり、こちらの「喜多方冷やしラーメン」(880円)は、ドラマチックエリア国見(下り)のオリジナルということになるようです。

では、そのオリジナルのラーメンは、どんな味なのでしょうか? まず、見た目で不思議に思うのは、大根おろしが入っていること。スープは透明です。冷たくても脂は固まっていません。最初にスープからいただけば、冷たい!とビックリしつつも、味自体は魚介系しょう油ラーメンのスープそのまんま。冷やし中華の酸っぱいスープとは違います。

スープの味は少し濃いめで、そのぶん大根おろしと合っているようです。縮れた麺はコシが強くて、しっかりと小麦の味を楽しめます。個人的には、冷やし中華というよりも、冷やしうどんに近いという印象です。さっぱりしていますから、暑い夏にはぴったりの一杯となるはず。これも楽しいグルメです。

今回紹介した二品は、「ドラマチックエリア」という名のとおりに、「旅のドラマ」を味わせてくれるグルメと言えるでしょう。どちらも、オススメですよ。(文と写真:鈴木ケンイチ/取材協力:NEXCO東日本)

●■東北自動車道・ドラマチックエリア国見(下り)

●営業時間
「和食屋 はらくっち」:24時間
「麺屋 喜多方」:24時間
※コロナ禍の影響により、営業時間が変更になる場合があります。