2023年のF1グランプリも開幕から早1カ月、序盤戦を終えて少しずつ今シーズンの各チームの状況が見えてきた。しかしシーズンはまだ始まったばかり。残り19戦の戦いはどうなっていくのか。どこに注目すべきか。各チームごとに現状を見ていこう。第2回はメルセデスAMG F1チームだ。

王者メルセデスとして完全復活も近い!?

第4戦アゼルバイジャンGPを終えた時点で、コンストラクターズランキングで3位につけているメルセデスAMG F1チーム。ただトップのレッドブルとの差は大きく、昨季ポーパシングに苦しみながらも終盤には速さを取り戻しつつあっただけに、むしろレッドブルとの差は再び開いてしまったようにも感じる。

レッドブルがさらに速さを増したことが大きいが、車高を下げて昨季ポーパシングに苦しんだ反動からか、車高を高く設定しすぎたのが原因ではないかとも言われている。それでも第3戦、第4戦では改善が見られ、ストレートスピードも上がり、今後いよいよ本領を発揮しそうな予感がある。

メルセデスは2010年にブラウンGP(その前身はホンダ)を買収して55年ぶりにワークスとしてF1に復帰。2014年にV6ハイブリッドのレギュレーションが導入されると、他を圧倒する黄金時代を築き上げた。

2021年にドライバーズタイトルをレッドブルのマックス・フェルスタッペンに奪われ、マシンレギュレーションが大きく変更された2022年にはコンストラクターズタイトルも失ったが、チーム体制に揺るぎはなく、ひとつのきっかけで復活するポテンシャルを持っている。

●メルセデスAMG ペトロナス F1チーム

チーム名:メルセデスAMG F1チーム
本拠地:ブラックリー/ イギリス
ドライバー:ルイス・ハミルトン/ジョージ・ラッセル
チーム代表:トト・ウルフ
テクニカル・ディレクター:ジェイムス・アリソン
シャシ:メルセデスAMG W14
パワーユニット:メルセデス

あのハミルトンを凌ぐ走りを見せるジョージ・ラッセル

ドライバーは通算103勝、7度のチャンピオンに輝くルイス・ハミルトンと、「次代のチャンピオン」と言われるジョージ・ラッセルの組み合わせ。

ラッセルは2019年にウイリアムズからF1デビュー。マシンに恵まれず目立った成績を上げられなかったが、一部の関係者からの評価は高く、2021年に体調不良のハミルトンに代わってメルセデスのステアリングを握ったレースで「あわや優勝」という走りを見せて一躍注目を集めた。

ラッセルは翌2022年にはメルセデスAMG F1チームのレギュラーシートを獲得、その速さは今季の予選でハミルトンを上回る成績をあげていることでも実証されている。

●ルイス・ハミルトン / Lewis Carl Davidson Hamilton

カーナンバー:44
国籍:イギリス
生年月日:1985年1月7日 / 38歳
第1戦バーレーンGP:予選7位/決勝5位
第2戦サウジアラビアGP:予選7位/決勝5位
第3戦オーストラリアGP:予選3位/決勝2位
第4戦アゼルバイジャンGP:予選5位/決勝6位

●ジョージ・ラッセル / George Russell

カーナンバー:63
国籍:イギリス
生年月日:1998年2月15日 / 25歳
第1戦バーレーンGP:予選6位/決勝7位
第2戦サウジアラビアGP:予選4位/決勝4位
第3戦オーストラリアGP:予選2位/決勝リタイア
第4戦アゼルバイジャンGP:予選11位/決勝8位