2022年8月4日〜7日、世界ラリー選手権WRC第8戦ラリー・フィンランドが中部の学園都市ユバスキラをベースに開催され、ヒョンデのオィット・タナックが優勝、2位にトヨタのカッレ・ロバンペラ、3位にもトヨタのエサペッカ・ラッピが入った。勝田貴元はまたも総合6位入賞、開幕から8戦連続でポイントを獲得した。

トヨタ勢の猛追をかわし、タナックが“敵地”で勝利

WRCに復帰した2017年からチームの本拠地があるフィンランドでは4戦4勝(2020年はコロナ禍で中止)と無敗を誇ってきたトヨタの牙城がついに崩れた。

殊勲を挙げたのは、2019年にトヨタで王者となったタナック。今シーズンは、ヒョンデi20Nの度重なるトラブルに苦しんできたが、得意の高速グラベルで本領を発揮、ホームイベントだった前戦エストニアで敗れた悔しさを敵地で晴らす格好となった。

勝利への第一の鍵となったのが、選手権上位のロバンペラとエルフィン・エバンスがグラベルラリー特有のスタート順のハンデに苦しんだ金曜日に十分なマージンを築いたこと。

翌土曜日には、雨模様となった午前に選手権リーダーのロバンペラに猛追される一幕もあったが、勝負どころとなったロングステージでのベストタイムで踏ん張り、8.4秒差で迎えた最終日のオープニングステージでも渾身のフルアタックでロバンペラに競り勝って優勝争いに決着をつけた。

第5戦サルディーニャ(イタリア)以来の今季2勝目となったタナックは、「トヨタ勢の金曜日の走行順には助けられたけど、今回はプッシュし続けた。厳しいラリーが続いていたけど、支えてくれたチームや家族に感謝したい」と笑顔を見せた。

惜敗のロバンパラは地元初勝利より選手権優先

戦前の予想通り、先頭スタートとなった金曜日に20秒以上のハンデを背負ってしまったロバンペラは、土曜日以降、ベストタイムを連発して追い上げたものの粘るタナックをかわすことができなかった。

最も得意とし、最も勝ちたいラリーだった地元フィンランドでまたも勝てなかったが、「地元での勝利が達成できれば言うことなかったけど、金曜日のスタート順を考えればいい週末だった。リスクを犯せばタナックとの差をもっと詰めることもできたかもしれないけど、選手権の方が優先だった」とあくまで冷静。

2位+最終パワーステージ1位で計23点を獲得し、ドライバーズランキングでは2位に浮上したタナックとの差は94点。史上最年少王者へ、また一歩歩みを進めた。

次戦は、8月19日から21日にかけてベルギー西部のイープルを中心に行われる第9戦「イープル・ラリー・ベルギー」。昨年初めてWRCの一戦として開催されたターマック(舗装路)ラリーで、路面には土が多くあり、道幅は狭く、道のすぐ脇に深い溝や電信柱が迫るステージが特徴。小さなミスも許されない非常に難しいラリーとなる。

●2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド 結果

1位:O.タナック(ヒョンデ i20 N ラリー1))2h24m04.6s
2位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+6.8s
3位:E.ラッピ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m20.7s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m37.6s
5位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 N ラリー1))+2m18.0s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3m09.0s
7位:G.グリーンスミス(フォード プーマ ラリー1)+3m57.0s
8位:E.リンドホルム(シュコダ ファビア ラリー2 エボ)+9m39.0s
9位:Y.フッツネン(フォード プーマ ラリー1)+10m31.6s
10位:E.カウル(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)+11m32.1s

●2022年WRCドライバーズランキング(第8戦終了時)

1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 198
2位 O.タナック(ヒョンデ)104
3位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)103
4位 E.エバンス(トヨタ)94
5位 勝田貴元(トヨタ)81
6位 C.ブリーン(Mスポーツ フォード)64

●2022年WRCマニュファクチャラーズランキング(第8戦終了時)

1位 トヨタ 339
2位 ヒョンデ 251
3位 Mスポーツ フォード 174