2021年10月14日、フェラーリはリアミッドに3L V6ツインターボエンジンを搭載し、ハイブリッドシステムを組み合わせた2シーターベルリネッタ、296GTBを日本初公開した。

V6ターボ+モーターのスーパーハイブリッドモデル

296GTBは、フェラーリのロードカーとして初の6気筒エンジンを搭載するモデルだ。モデル名の「296」は2992ccの6気筒を搭載していることを意味し、「GTB」はグランツーリスモ(GT)にイタリア語でスポーツクーペの意味を持つベルリネッタ(B)を組み合わせたもの。これまでのフェラーリモデルの名付けの方程式に則った名称である。

リアミッドに搭載されるF163型V型6気筒ターボエンジンは、これまでのフェラーリ製V8エンジンよりもコンパクトであることはもちろん、30kgも軽量化されており、高い運動性の獲得に寄与している。エンジンの最高出力は663ps(cv)/8000rpm、最大トルクは740Nm/6250rpmを発生し、そこに1基のモーター(最高出力167ps/最大トルク315Nm)でリアを駆動するハイブリッドパワートレーンを組み合わせ、830ps(cv)のシステム総合出力を誇る。

このハイブリッドシステムはF1で採用されるMGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット・キネティック)で、エンジンとトランスミッション(8速DCT)の間にモーターを配置し、クラッチによってエンジンとモーターを切り離すことでEV走行も可能。フル充電の状態であれば25kmのEV走行ができるという。後輪のみで駆動するプラグインハイブリッドは、フェラーリでこの296GTBが初となる。

気になるV6ターボエンジンのサウンドだが、左右対称の点火順序、等長エキゾーストマニホールドや排気ラインの取り回しなどによって、V12気筒エンジンに匹敵するサウンドを実現しているという。このF163型エンジンの開発中には「ピッコロV12(ミニV12)」の愛称も付いたという。

ボディサイズは全長4565×全幅1958×全高1187mm、ホイールベースは2600mm。車両重量(乾燥重量)は1470kgで、パワーウエイトレシオは1.77kg/psとなる。パフォーマンスは、最高速が330km/h、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/h加速は7.3秒で、フェラーリのテストコースであるフィオラノサーキットでのラップタイムは1分21秒と公表されている。

エクステリアデザインは、リアミッドエンジンの2シーターベルリネッタのアイデンティティを再定義するというフェラーリのスタイリングセンターの熱意が込められたもので、鉛筆でひと筆書きしたかのようにシンプルなラインを描きながら、ドアには力強いプレスライン、筋肉質な前後のフェンダーなどスーパーカーらしいデザインになっている。フロントガラスからサイドウインドウまでをひとつの曲面で構成するバイザースタイルにしているのも特徴だ。

また、究極のパフォーマンスを求めるオーナーのために「アセットフィオラノ」パッケージも用意される。大幅な軽量化や空力性能を強化したエアロパーツ、サーキット走行に最適化されたアジャスタブル・マルチマチック・ショックアブゾーバー、フロントバンパーのカーボンファイバー製ハイダウンフォースパーツ、Lexan製軽量リアスクリーンなどを採用する。これにより全体で12kg以上の軽量化を実現している。

296GTBは10月31日より順次、ディーラーでの展示を開始するという。(写真:伊藤嘉啓)

フェラーリ 296 GTB 主要諸元

●全長×全幅×全高:4565×1958×1187mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1470kg(乾燥重量)
●パワートレーン:120度 V6 DOHCツインターボ+モーター
●エンジン総排気量:2992cc
●エンジン最高出力:663ps/8000rpm
●エンジン最大トルク:740Nm/6250rpm
●燃料タンク容量:プレミアム・65L
●モーター最高出力:167ps
●モーター最大トルク:315Nm
●バッテリー容量:7.45kWh
●トランスミッション:8速DCT
●タイヤサイズ:前245/35ZR20・後305/35ZR20
●駆動方式:MR