2023年9月22日、いよいよF1第17戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕。前戦シンガポールGPではレッドブルの連勝記録がついにストップ、優勝争いにも加われない思わぬ惨敗に不穏な空気が流れている。レッドブルの挽回はあるのか、それとも前戦のような流れは続くのか、注目のグランプリが始まる。
圧倒的な速さを見せていたレッドブルが突然の失速、鈴鹿での走りに注目
前戦シンガポールGPでレッドルの2台がまさかの失速、予選でそろってQ3進出を逃し、決勝でもいいところなく敗れ、マックス・フェルスタッペンは5位、セルジオ・ペレスは8位まで追い上げるのが精一杯だった。
その敗因はまだよくわかっていないが、今シーズンの圧倒的な速さを発揮していたレッドブルがなぜ突然不振に陥ったのか、得意とするシンガポールGPが行われたマリーナベイ・ストリート・サーキットでこんなことになったのか、グランプリに大きな衝撃が走っている。
ホンダの地元鈴鹿で、レッドブルが再び速さを見せるのか、興味が集まるところだ。
フェラーリ、メルセデス、マクラーレンにとっては、大きなチャンス到来。タイヤマネージメントをコントロールして、フェラーリは2連勝を狙う。
凱旋レースといえば、アルファタウリのふたり、角田裕毅とリアム・ローソンにとっても力の入るグランプリとなる。
角田裕毅はF1ドライバーとして帰ってきた2022年の日本GPでは、決勝13位とポイント獲得ならなかっただけに、今年は一発を狙う。
一方、今季スーパーフォーミュラに参戦中のローソンは、ダニエル・リカルドの代役としてイタリアGPで急遽F1グランプリデビューを果たし、この日本GPが3戦め。前戦シンガポールGPでは9位入賞を果たして、大きな注目を集めている。走り慣れた鈴鹿でどんな走りを見せるのだろうか。
●【参考】2023年F1第16戦シンガポールGP決勝 結果
1位 55 C.サインツ(フェラーリ) 62周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+0.812s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+1.269s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+21.177s
5位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) +21.441s
6位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+38.441s
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+41.479s
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+54.534s
9位 40 L.ローソン(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) +1周
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リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(メルセデス)
●【参考】2023年F1ドライバーズランキング(第16戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)374
2位 S.ペレス(レッドブル)223
3位 L.ハミルトン(メルセデス)180
4位 F.アロンソ(アストンマーティン)170
5位 C.サインツ(フェラーリ)142
6位 C.ルクレール(フェラーリ)123
7位 G.ラッセル(メルセデス)109
●【参考】2023年F1コンストラクターズランキング(第16戦終了時)
1位 レッドブル 597
2位 メルセデス 289
3位 フェラーリ 265
4位 アストンマーティン 217
ちなみに、昨年2022年日本GPは新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となったが、レースは雨のため大荒れとなった。
ウエットコンディションでスタートしたレースは、いきなりフェラーリのカルロス・サインツがクラッシュ、レースは赤旗中断となる。雨はその後も降り続き、ようやくセーフティカー先導でのローリングスタートとなったのは約2時間後。規定により、この時点で約40分間のスプリント勝負となることが決定した。
そんな中、レッドブルのマックス・フェルスタッペンの速さはまさに圧倒的で、難なくトップをキープすると、状況を判断してインターミディエイトタイヤに素早く交換、2位以下に27秒もの差をつけてフィニッシュして、2度目のワールドチャンピオンを決定した。
フェルスタッペンは、ドライコンディションの予選でポールポジションを獲得し、そのアドバンテージをフルウエットコンディションでのリードに変える完璧な週末だった。
なお、初の地元日本GPとなった角田裕毅は、一時ポイント圏内を走行していたものの最終的には13位に終わった。
●【参考】2022年 F1第18戦日本GP 決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)28周
2位 11 S.ペレス(レッドブル)+27.066s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+31.763s
4位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+39.685s
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+40.326s
6位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+46.358s
7位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) +46.369s
8位 63 G.ラッセル(メルセデス) +47.661s
9位 6 N.ラティフィ(ウイリアムズ・メルセデス)+70.143s
10位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+70.782s
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13位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル )+75.599s
18位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+108.091s
ファステストラップ: 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)
シンガポールとは大きく性格が異なる高速コース
では、日本GPの舞台となる鈴鹿サーキットはどんなコースだろうか。
知っている人も多いだろうが、鈴鹿サーキットは世界的も珍しい8の字コース。ゆえに左右のコーナーがバランスよく配される。ストレート部分は少ないが、マシンバランスが問われる高速のS字コーナー、130Rと200Rが続く複合のダンロップコーナー、特に難しいと言われるデグナー、タイヤに負担がかかるスプーンカーブ、300km/hで通過する超高速の130Rコーナーなど、息の抜けない高速コーナーが多く、「走っていて楽しいサーキット」とドライバーからの人気も高い。
全長5807mの中に、性格の異なる18のコーナーを配置。1コーナー、ヘアピン、シケインなどでオーバーテイクが見られるが、総合力が問われる高速コースで、オーバーテイクはそれほど簡単ではない。
鈴鹿サーキットはタイヤの摩耗レベルが高く、タイヤへの負荷が大きいため、例年、2ストップ戦略が主流となる。
タイヤを供給するピレリは、日本GP開幕にあたって「今週末には休みなくグランプリは鈴鹿に舞台をかえて行われます。鈴鹿のアスファルトは摩耗性が高く、コースはタフでタイヤに大きな負荷がかかり、タイヤはラップをとおして大きなG荷重にさらされるので、タイヤコンパウンドは、 ハード=C1 、ミディアム=C2、ハード=C3として、タイヤが受ける横方向および縦方向の荷重に対処します。2022年のタイヤ戦略は雨のため参考になりませんが、2019年はメルセデスのボッタスがソフト→ミディアム→ソフトの2ストップで優勝しています」と分析している。
さて2023年はどんなレースとなるのか。F1第17戦日本GPは、9月22日金曜日11時30分からのフリー走行1回目で開幕、予選は9月23日15時、決勝は9月24日14時に開始される。現時点での天気予報によれば、この週末の鈴鹿は秋らしい天候となり、晴れ間が期待できそうだ。
●2023年F1第17戦日本GP タイムスケジュール
フリー走行1回目:9月22日11時30分〜12時30分
フリー走行2回目:9月22日15時〜16時30分
フリー走行3回目:9月23日11時30分〜12時30分
予選:9月23日15時〜16時
決勝(53周):9月24日14時〜