コンパクトSUVとして高い人気を集めるダイハツ ロッキーに、待望のフルハイブリッドモデルが登場。モーターのみで走行する新機構を搭載する。(Motor Magazine2022年2月号より)

新開発の1.2L直3DOHCエンジンを発電専用に使用

「小さなクルマに適したハイブリッドシステム」としてダイハツが新たに開発した電動化テクノロジー、それが発電専用のガソリンエンジンと駆動用の電気モーターを組み合わせるシリーズ式ハイブリッドシステム「e-SMART HYBRID」(イー スマート ハイブリッド)だ。シンプルな構造でサイズもかさばらないので、市街地走行が多い小型廉価な前輪駆動モデルに適している。

このシステムの目玉は新開発の1.2L直3DOHCエンジンだ。自然吸気式でハイブリッド車用としてクラストップレベルの最大40%という熱効率を達成。発電専用のエンジンは最高出力60kW(82ps)/最大トルク105Nm(10.7kgm)、駆動用モーターは最高出力78kW(106ps)/最大トルク170Nm(17.3kgm)で、WLTCモード走行燃費は28.0km/Lを実現している。

普通のエンジン車から乗り換えても、違和感が少ない

駆動はモーターのみが担当するので、電気自動車的な走行フィールを予想して走り出すが、すぐにエンジンが目覚める。発電するのにもっとも効率がいい回転数で回るので、通常のエンジン車で走り出すときのような低回転からではなく、元気良く活発なエンジン音が響いてくる。バッテリー容量が4.3Ahと小型軽量なので理解できるが、ここに一種の安心感があるのも事実。多くの電動車に共通する、あまりに音の小さい走行感覚が生み出す一種の不安感がないので、その点ではホッとする。

加速力はモーター駆動車らしい力感があり、高速道路の本線合流にも余裕があった。減速時は、エンジン車に近い感覚のブレーキペダル操作で対応が可能。S-PDL (スマートペダル)ボタンをオンにすれば、回生ブレーキ制御によるアクセルペダル操作のみで加減速がコントロール可能な 「ワンペダルドライブ」も楽しめる。ただしクリープ制御があるので、完全に停止させるにはブレーキペダルでの操作が必要だ。

この新型フルハイブリッドモデル、エンジン車との違和感があまりないのに燃費がとても優れているという、実にダイハツらしい魅力を備えたニューカマーである。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:井上雅行)

●ダイハツ ロッキー プレミアムG HEV主要諸元

●全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm
●ホイールベース:2525mm
●車両重量:1070kg
●エンジン:直3DOHC+モーター
●総排気量:1196cc
●最高出力:60kW(82ps)/5600rpm
●最大トルク:105Nm/3200−5200rpm
●モーター最高出力:78kW(106ps)/4372−6329rpm
●モーター最大トルク:170Nm/0−4372rpm
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー ・33L
●WLTCモード燃費:28.0km/L
●タイヤサイズ:195/60R17
●車両価格(税込):234万7000円