2021年9月24日、F1第15戦ロシアGPがソチ・オートドロームで開幕する。シーズンも残り8戦、ここからチャンピオン争いは激しさを増していきそうだ。ソチは長い全開区間を持つテクニカルコース。ここで7連勝中のメルセデスが強さを発揮するのか、それとも新型のエナジーストアを投入したレッドブル・ホンダがシーズン9勝目をあげるのか。前戦イタリアGPで接触したフェルスタッペンとハミルトンはどんな戦いを見せるのか。シーズン終盤に向けた重要なグランプリが始まる。

フェルスタッペンとハミルトンのポイント差は5点

シーズン後半戦の幕開けとなった3連戦を終え、今週はソチ・オートドロームでロシアGPが行われる。

直近の3連戦では、レースがまともに開催できないほどの大雨やフェルスタッペンの感動的な母国優勝、フェルスタッペンとハミルトンの接触など、さまざまなことが起こったが、ここからシーズン終盤のさらに激しいチャンピオン争いに向かっていくことになる。

この3連戦でフェルスタッペンが2勝をあげてドライバーズチャンピオンシップのリードを奪い返しているが、その差はわずか5点しかなくなく、ロシアGPは極めて重要なレースとなる(ここまでフェルスタッペンの8勝に対して、ハミルトンは4勝)。

●2021年F1ドライバーズランキング(第14戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)226.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)221.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)141
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)132
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)118
6位 C.ルクレール(フェラーリ)104
7位 C.サインツ(フェラーリ)97.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)83
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)66
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14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)18

●2021年コンストラクターズランキング(第14戦終了時)

1位 メルセデス 362.5
2位 レッドブル・ホンダ 344.5
3位 マクラーレン・メルセデス 215
4位 フェラーリ 201.5
5位 アルピーヌ・ルノー 95
6位 アルファタウリ・ホンダ 84

レースの舞台となるソチ・オートドロームは、2014年の冬季五輪メイン会場の敷地を利用してヘルマン・ティルケ氏が設計したコースで、公道と専用サーキットが組み合わされたレイアウト。

全長6km弱と1周の距離が長く、2本の長いストレートと多くの90度コーナーが配されていることが特徴で、セクター2では中速の90度コーナーが連続し、最終セクターは低速コーナーで構成される一方、最終コーナーからターン1まではカレンダー中でも最長の全開区間の一つとなっており、コーナーからの立ち上がり加速とストレートでの速さに加え、低速コーナー脱出時のドライバビリティが重要になる。

ふだん走行が少ない部分もあり、変化する路面状況にあわせてマシンをどうセットアップしていくか、タイヤマネージメントも重要となる。また、ピットレーンが長いため、ピットストップのタイムロスが大きく、ここでは例年ワンストップ戦略が主流となる。

F1開催は2014年から始まり、2021年で8回目。メルセデスがここで負けなしの7連勝中と得意とするコースでもある。

2020年はミディアムからハードのワンストップが優勝

2020年のロシアGPでは、ポールポジションのグリッドにつく前にハミルトンが痛恨のミス。レコノサンスラップのコースサイドでスタート練習をしてしまったために10秒のタイムペナルティを課せられてしまったのだ(それでも3位でフィニッシュ)。かわって3番手スタートのバルテリ・ボッタスが優勝。3番手スタートのフェルスタッペンが2位に入った。なお、ホンダのパワーユニット勢4台全車がトップ10入りを果たしている。

●【参考】2020年第10戦ロシアGP 決勝 結果

優勝 77 V.ボッタス(メルセデス)53周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+7.729s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+22.729s
4位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)+30.588s
5位 3 D.リカルド(ルノー)+52.065s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+62.186s
7位 31 E.オコン(ルノー)+68.006s
8位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)+68.740s
9位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+89.766s
10位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+97.860

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターはロシアGPに向けて「事前シミュレーションを行い、準備をした上で、さらにそれぞれのセッションを走る中で、エネルギーマネージメントやドライバビリティの最適化を進めていきます。ここ数戦、ホンダのパワーユニットを搭載する4台が揃って良い形でレースができていないので、今回は4人のドライバーが持てるパフォーマンスを十分に発揮して、良いレースができることを願っています。シーズン後半戦から、新型のエナジーストアを投入しました。高効率化と軽量化を実現した新型のエナジーストアは、フェルスタッペン選手がベルギーGP、ペレス選手がオランダGP、ガスリー選手がイタリアGPの決勝から使用を開始しています。これによってパワーユニットのパフォーマンスの向上を果たし、ユニットの軽量化による車体パフォーマンスの向上にも貢献しています。当初は2022年シーズンに投入予定でしたが、参戦終了の決定に伴い、開発計画を大幅に前倒して、今シーズンの後半戦に間に合わせることができました。この技術を、F1でワールドチャンピオンを獲得した技術と言えるようにする、それが今の目標です」とコメントしている。

タイヤを供給するピレリは「オーストリアGP以来、最も柔らかい3つのコンパウンドが選択されました。ソチはピットストップのタイムロスが大きいためワンストップが有力となります。2020年もトップ2がミディアムからハードのワンストップでしたが、ソフトからハードのワンストップも有効で、さまざまな戦術や戦略的思考がありました。今回も3つのコンパウンドをどう使うかがポイントとなるでしょう。2021年はサポートレースのスケジュールから、トラックの進化が期待できそうです」と分析している。

2021年のロシアGPの焦点は、フェルスタッペンとハミルトンのバトルがどう変わるのかということ。まず予選が大注目で、テクニカルで流れるようなリズムもある高速コースのソチでは、エキサイティングな戦いが見られそうだ。なお、フェルスタッペンはイタリアGPでの接触により、すでに3グリッド降格が決まっている。

また、ロシアGPではスプリント予選は行われず、通常どおりのスケジュールで行われる。9月24日金曜日11時30分(日本時間17時30分)からのフリー走行1回目で幕を開け、予選が9月25日15時(日本時間21時)、決勝は9月26日15時(日本時間21時)に開始される予定だ。

●2021年F1第15戦ロシアGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:9月24日11時30分〜12時30分(日本時間17時30分〜18時30分)
フリー走行2回目:9月24日15時〜16時(日本時間21時〜22時)
フリー走行3回目:9月25日12時〜13時(日本時間18時〜19時)
予選:9月25日15時〜16時(日本時間21時〜22時)
決勝(53周):9月26日15時〜(日本時間21時〜)