レクサスのフラッグシップSUVがLX570だ。現行型は2015年に国内に導入された。初代は1996年にレクサス初のSUVとして北米で発売され、海外で販売を拡大していたが、3代目の2度目のマイナーチェンジ時にようやく国内導入された形となる。今回、試乗の機会を得たので車両概要と合わせて改めて紹介しよう。

悠々とした走りと高い居住性を持つラグジュアリーSUV

レクサスLX570に搭載されるパワーユニットはトルクフルな5.7Lの自然吸気V8。もちろん本格的な4WD機構を備えオンロードからオフロードまで安定したドライビングを実現している。そして力強さとラグジュアリーさが融合した内外装、先進的な空調システム「レクサス クライメイト コンシェルジュ」や降車時に自動で車高調整を行う「乗降モード」いった快適装備を標準装備しているのも特徴となる。試乗の前にそれぞれをもう少し細かく見ていこう。

エクステリアの特徴は伸びやかさとダイナミックさ

エクステリアでまず目立つところはフロントビューだ。ロア部を厚くした安定感が特徴となっている。プロテクター形状のグリル下端部など、力強さと洗練を兼ね備えたスピンドルグリルが与えられた。サイドビューも伸びやかでありつつ、厚みを持たせてダイナミックさを強調している。他に目立つところではLEDシーケンシャルターンシグナルランプが挙げられるだろう。これはレクサスで初採用となるもので、ラグジュアリー性を高めている。

インテリアは、機能性に配慮しながら、金属や革、本木目を使い分けることにより、異なる素材のコントラストを際立たせ、上質感を演出している。もちろん本格的4WD車としてオフロードでのハードな走行でも車両姿勢の把握を容易にするために、水平基調のインストルメントパネルとし、視認性の確保も抜かりはない。

パワートレーンは5.7LのV8 DOHCとなる。最高出力は377ps/5600rpm、最大トルクが534Nm/3200rpmという強力なもの。使用用途に合わせて低中速域を重視した出力特性で、2000rpmから最大トルクの90%を発生させるワイドなトルクバンドが特徴だ。トランスミッションはスーパーインテリジェント8速AT(8SuperECT)を組み合わせた。これによりオンロードでは伸びやかな加速を、オフロードでは低・中速域での力強さを発生する仕様となっている。

カスタマイズモードを搭載したドライブモードセレクトをレクサスで初採用したことも注目される。カスタマイズモードを選択することにより、パワートレーン、シャシ、空調の各制御の組み合わせを自由に選択でき、ドライバーの嗜好に応じた快適なドライビングが可能となっている。

ドライブモードセレクトで使い勝手と走行性能を統合制御する

ドライブモードセレクトをもう少し具体的に見ていくと、車高を自動制御する「4−Wheel AHC」と「AVS」を搭載している。例えば前者は「乗降モード」においてはエンジンオフで車高を下げ乗降性を上げる。後者は走行状態に応じてショックアブソーバーの減衰力を自動制御するもので、乗り心地と操縦安定性の両立を図った。

空調システムには「レクサス クライメイト コンシェルジュ」が装着された。これはオートエアコン、ステアリングヒーター、運転席、助手席・セカンドシートのシートヒーター・シートベンチレーションの各機能を一括して連動・作動させる機能を持つ。

2017年に一部改良が行われ、従来の3列シートに加え、2列シート5人乗り仕様を設定するなどラインナップを拡充している。今回試乗したのもこの5人乗り仕様だ。

試乗は、一般道のみでオフロードの実力は試せなかったが、2.7トン近い重さを感じさせない悠々とした走りと、しなやかでストロークが長いサスペンションが印象的。もちろん、中速程度のコーナリング時には重心の高さによって大きなロールを見せるが、不安を感じさせるようなものではない。ほどんどのユーザーは本格的なオフロード走行するのではなく、快適な居住空間の中でゆったりとした走りを楽しむということを考えれば、最高の高級車と言えるだろう。(文:Motor Magazine編集部 飯嶋洋治/写真:井上雅行)

レクサスLX570主要諸元

●全長×全幅×全高:5080×1980×1910mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2680kg
●エンジン: V8 DOHC
●総排気量:5662cc
●最高出力:377ps/5600rpm
●最大トルク:534Nm/3200rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:8速AT
●車両価格(税込):1135万6481円