2022年5月4日、富士スピードウェイ(FSW)で行われたスーパーGT第2戦は波乱の展開となり、3位でチェッカーを受けた8号車ARTA NSX-GTが繰り上がりで優勝を飾った。2位には36号車au TOM’S GR Supra、3位にカルソニック IMPUL Zが入り、開幕戦に続き、ここ富士でも3メーカーが表彰台を分け合う形となった。

レース序盤から激しいバトルが展開される

決勝レースの前日に行われた予選は曇天、想定よりかなり低い気温と路面温度の中で行われ、この環境を味方につけたのがヨコハマタイヤ勢だった。ヨコハマタイヤを装着する19号車WedsSport ADVAN GR Supraと24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zがフロントロウを獲得し、3位にミシュランタイヤを履く3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが入った。

決勝当日は快晴により気温20度、路面温度は前日に比べ約10度も高い33度のコンディションとなった。ポールポジションの19号車がトップのまま第1コーナーに進入、ホールショットを決める一方で3番手スタートの3号車が2位に浮上。

しかしオープニングラップの後半セクションで一気に巻き返してきたのはTOM’S勢。37号車KeePer TOM’S GR Supraが3号車を捉え、勢いそのままにGR Supraコーナーで19号車もパスしてトップに浮上する。

2周目には36号車も続きTOM’S勢が1-2体制を形成した。一方ポールスタートの19号車は7番手まで後退してしまう。路面温度が低かった予選で力を発揮したヨコハマタイヤ勢だったが、快晴の中でのロングランは厳しかったようだ。

トップ争いを繰り広げるTOM’S勢の37号車(トップ)と36号車による攻防は続き、24周目のセクター3、13コーナーで36号車が37号車を抜き去り首位を奪取した。27周目に4番手につける100号車がピットインしたことを皮切りに各車1回目のピットインを敢行、43周目までに全車ピットインを完了させた。

するとGT300クラスのマシンが100R出口でクラッシュしてしまい、バリア修復のため赤旗・レース中断となってしまう。赤旗時点での順位は36号車と37号車がトップ2を堅持、抜群のタイミングでピットインを行った39号車が3位につけている。

再スタート後に待っていた大クラッシュ

およそ30分の中断を経てレースはSC先導で再スタートすると、その直後の1コーナーでトップの36号車がオーバーシュート。ぎりぎりアウト側に残った36号車に対し、39号車とサイドバイサイドの勝負をしながら1コーナーに飛び込んだ37号車が36号車と接触してしまう。その隙をついてトップに躍り出たのが39号車だった。

さらに2番手に上がった3号車に続いて、37号車、8号車、36号車という並びで形成された上位勢が接近戦を繰り広げる。2番手の3号車は果敢に仕掛けるも、39号車関口のブロックにより前に行くことを許されなかった。そして、この日最大のアクシデントが59周目に発生する。

39号車のスリップストリームに入った3号車だが、39号車の前方をスロー走行中だったGT300クラスマシンを避けきれずにコントロールを失い、最高速のままガードレールに激突。大破した3号車はホームストレート上で停止した。すぐさま赤旗を提示されて2度目のレース中断となった。

サーキット中が凍りつくほどの大クラッシュだったが、ドライバーの高星に大きな怪我がないと判明すると場内から大きな拍手が沸き起こった。レース再開にかなりの時間を要する状態だったが、ガードレール前にタイヤバリアを設置するなど、レースは18時10分に再開する。

しかしSC先導のままで行われ、レース最大延長時間である18時20分にレースが終了。トップを走っていた39号車の優勝かと思われたが「赤旗中の作業違反」でペナルティ、また2番手の37号車にも「リスタート後の接触の責任」を問われてペナルティを科されることとなった。

その結果、3位につけていた8号車が優勝という波乱の結果となった。2位に36号車、3位に12号車が入っている。また、レースは全体の75%を消化していないため、与えられるチャンピオンシップポイントは通常の半分になった。

大クラッシュやレース運営、優勝の決まり方などさまざまな要因により、今回の第2戦はどこかスッキリしない幕切れとなってしまった。(PHOTO:井上雅行)

2022 スーパーGT Round2 FAV HOTEL FUJI GT 450km 決勝 結果

1位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)62周
2位 36号車 au TOM’S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)+2.570s
3位 12号車 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)+3.151s
4位 23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)+3.614s
5位 100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)+4.326s
6位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)+4.522s
7位 14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)+4.781s
8位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)+4.913s
9位 17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)+5.534s
10位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)+5.701s
11位 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)+6.064s
12位 38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)+8.957s
13位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)+36.758s
14位 37号車 KeePer TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)+38.138s
15位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)+4Lap
ファステストラップ:36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔)1'28.803

2022 スーパーGT GT500クラス ドライバーズランキング(第2戦終了時)

1st 23pt 大嶋和也/山下健太(14号車 ENEOS X PRIME GR Supra)
2nd 18pt 山本尚貴/牧野任祐(100号車 STANLEY NSX-GT)
3rd 15pt 松田次生/ロニー・クインタレッリ(23号車 MOTUL AUTECH Z)
4th 12.5pt 坪井翔/ジュリアーノ・アレジ(36号車 au TOM'S GR Supra)
5th 11pt 野尻智紀/福住仁嶺(8号車 ARTA NSX-GT)
6th 9.5pt 平峰一貴/ベルトラン・バゲット(12号車 カルソニック IMPUL Z)
7th 8pt 立川祐路/石浦宏明(39号車 ZENT CERUMO GR Supra)
8th 6pt 千代勝正/高星明誠(3号車 CRAFTSPORTS MOTUL Z)
9th 3.5pt国本雄資/阪口晴南(19号車 WedsSport ADVAN GR Supra)
10th 3pt 関口雄飛/中山雄一(39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
11th 3pt 塚越広大/松下信治(17号車 Astemo NSX-GT)
12th 2pt 佐々木大樹/平手晃平(24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z)
13th 2pt 笹原右京/大湯都史樹(16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)

2022 スーパーGT GT500クラス チームランキング(第2戦終了時)

1st 28pt 14号車 TGR TEAM ENEOS ROOKIE
2nd 24pt 100号車 TEAM KUNIMITSU
3rd 21pt 23号車 NISMO
4th 18.5pt 36号車TGR TEAM au TOM'S
5th 17pt 8号車 ARTA
6th 15.5pt 12号車 TEAM IMPUL8pt 36号車TGR TEAM au TOM'S
7th 14pt 38号車 TGR TEAM ZENT CERUMO
8th 10pt 3号車 NDDP RACING
9th 9pt 39号車 TGR TEAM SARD
10th 9pt 17号車 Astemo REAL RACING
11th 7.5pt 19号車 TGR TEAM WedsSport BANDOH
12th 6.5pt 16号車 TEAM Red Bull MUGEN
13th 6.5pt 24号車 KONDO RACING
14th 6pt 37号車TGR TEAM KeePer TOM'S
15th 5pt 64号車 Modulo Nakanjima Racing