シトロエン C3エアクロスSUV。2021年11月の大幅改良により鋭い目つきのフロントマスクに変更され、また乗り心地を向上させるシート形状を取り入れるなどしたモデルである。このコンパクトSUVを取材時の同伴車両として、また普段の足として、2カ月の期間限定で活躍してくれた。そのレポートを前編・後編2回に分けてお届けする。今回は前編。

1.2L直3ターボエンジンはレスポンス良好で、キビキビした走り

わずか2カ月の期間限定となるが、編集部に来てくれたシトロエン C3エアクロスSUV(以下、C3エアクロス)は全長4160×全幅1765×全高1630mmのいわゆるBセグメントSUVにあたり、フォルクスワーゲン TクロスやアウディQ2、またフランス系ではプジョー 2008やルノー キャプチャーをライバルとする。

着座位置は高く、またガラス面も広く設計されているので見晴らしも抜群で運転しやすい。さらに、標準装着されているパノラミックサンルーフの前後長は実測値で120cm(スライド式開口部は50cm)もあり開放的な室内空間を実現している。そのため我が家の子どもウケも良く、期間限定ゆえに長い期間の付き合いにならないことがとても残念である。

さてこのC3エアクロスは2019年半ばに日本で発売されたのだが、DSブランドの兄弟モデルとも言えるDS3クロスバックとほぼ同時期に導入されていたモデルである。この2モデルのボディサイズを比べてみるとその差はほんの数cmであり、乗り換えてから数日間はてっきり兄弟車種だと思い込んでいた。

運転する前は「ブランドごとのテイストの違いはあれど、走りの印象は似ているのではないか」と想像していたのだが、実はまったく違うクルマであることを思い知らされた。

私が運転したことのあるDS3クロスバックは電気自動車の「Eテンス」で、ガソリンエンジン車のC3エアクロスと比較すれば、違うのは当然だと思うかも知れないが、例えばC3エアクロスで高速道路のコーナーやワインディングを抜けるときなど、ボディ全体をねじるようにねっとりとロールさせながら走る。

ボディ剛性をカッチリとさせたDS3クロスバックとは明らかに違う。不安を感じるようなものではなく、どこか「懐かしさ」を感じるのだが・・・。

ちょっとだけ懐かしい、操って楽しいコンパクトSUV

ふと思い出したのが、独創的なデザインをまとって2017年に200台限定で発売されたC4カクタスに試乗したときの記憶だ。同じくSUVであるが、高速道路をひらりひらりと軽快に車線変更したり、またワインディングロードでのロール感、そしてソフトに路面の凹凸を吸収してくれるサスペンションなどは共通するように感じたのだ。

共通項と言えば、マニュアルモードでシフトチェンジしながら走る楽しさはさらに凝縮されている。C3エアクロスは130ps/230Nmを発生する1.2L直3ターボエンジンを搭載し、レスポンス良く低回転域からでも十分に加速する。C4カクタスで5速AMTだったトランスミッションは、トルコン式6速ATに置き換えられてスムーズさをもプラス。

シフトダウンブリッピング機能や「レバーを引いてシフトアップ」するシフト作法もあって、ワインディングだけでなく高速道路を走っていても、ムダにガコガコとギアチェンジしたくなってしまう。イマドキのクルマとしては珍しい、ギア感の強いキャラクターだ。

ちなみに、後日調べてみるとDS3クロスバックは新世代プラットフォーム「CMP」を採用、C4カクタスとC3エアクロスは旧世代の「PF1」を採用していることが分かった。印象の共通/相違点はこんなところにあるのかもしれない。

■第1回/2022年6月3日〜6月22日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:8766km
・走行距離:1395km
・給油量:75.3L
・実燃費:18.5km/L

シトロエン C3エアクロスSUV シャインパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4160×1765×1630mm
●ホイールベース:2605mm
●車両重量:1320kg
●エンジン:直3DOHCターボ
●総排気量:1199cc
●最高出力:96kW(130ps)/5500rpm
●最大トルク:230Nm/1750rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・45L
●WLTCモード燃費:16.7km/L
●タイヤサイズ:215/50R17
●車両価格(税込):347万5000円