2022年9月2日金曜日、F1第15戦オランダGPがザントフォールト・サーキットで開幕する。ベルギー→オランダ→イタリアと続く3連戦の2戦目、フランスGPから現在3連勝中のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にとってはさらに差を広げるチャンスであり、ライバルたちにとっては選手権の行方を占う正念場となる。

「フェルスタッペンのためのグランプリ」となるのか

シーズン後半戦の開幕となった前戦ベルギーGPでは勢力図がどう変わるか注目されたが、選手権をリードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が衝撃的な速さを見せて圧勝してしまった。年間使用規定数を超えたパワーユニットのエレメント交換によるペナルティによって14番手グリッドからのスタートとなったが、そこから2位に入ったチームメイトのセルジオ・ペレスに17秒以上の大差をつけるのだから、チームメイトもライバルたちももうお手上げといった状況だった。

しかも今週のオランダGPはフェルスタッペンの母国グランプリ。熱狂的なオレンジの大応援団がザントフォールト・サーキットに押し掛けるのは間違いなく、早くも「フェルスタッペンのためのグランプリ」というムードが漂っている。

また、ベルギーGPからの連戦でアップデートの時間は多くないことから、ライバルたちが大きくパフォーマンスを上げるのは簡単なことではないので、フェルスタッペンが圧倒的に有利な立場にあると言っていいだろう。

それでも、この3連戦でフェルスタッペンにハットトリックを決められたら、チャンピオンシップはほぼ決まりといった状況になるだけにライバルも諦めるわけにはいかない。なんとかこの3連戦で一矢報いたいところ。ベルギーGPでのフェルスタッペンの走りを見ると、イタリアGPでも圧勝する可能性が高く、フェルスタッペンを敗るなら不確定要素の多いオランダGPこそチャンスだろう。

フェラーリ、メルセデス、アルピーヌに期待がかかるが、ベルギーGPの結果をふまえて、彼らがどんな戦略で来るのか興味深い。

●■2022年F1ドライバーズランキング(第14戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)284
2位 S.ペレス(レッドブル)191
3位 C.ルクレール(フェラーリ)186
4位 C.サインツ(フェラーリ)171
5位 G.ラッセル(メルセデス)170
6位 L.ハミルトン(メルセデス)146

■2022年F1コンストラクターズランキング(第14戦終了時)

1位 レッドブル 475
2位 フェラーリ 357
3位 メルセデス 316
4位 アルピーヌ・ルノー115
5位 マクラーレン・メルセデス 95
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51
7位 ハース・フェラーリ 34
8位 アルファタウリ・レッドブル 29

狭くタイトなコースレイアウトだが意外と平均速度は高い

では、オランダGPが行われるザントフォールト(Circuit Zandvoort)はどんなサーキットなのだろうか。

ザントフォールトは1952年に初めてF1グランプリが開催された伝統のあるサーキット。騒音による問題などから長くF1のカレンダーから消えていたが、地元出身のフェルスタッペンの活躍により開催の気運が高まり、コースを全面的に改修して、昨年、36年ぶりにF1グランプリが復活した。

全長4259mと比較的短いコースに、678mのホームストレートと517m/257mの2本のバックストレート、14のコーナーが配される。長いストレートはないがターン3とターン14にはバンクも設けられているため平均速度は高く、F1マシンは1分10秒ほどで周回する。

ただし、コース幅が狭い上に、ランオフエリアが砂地となる部分が多く、クラシカルな雰囲気が漂う、オーバーテイクが難しいコースとなっている。北海の海岸線に位置するビーチリゾート近くにあり、風が強く、飛来した砂により滑りやすい路面になるという特徴を持つ。また意外と起伏に富んでいることもポイントとなる。

ザントフォールト・サーキットでは、ユーロF3をはじめとするステップアップカテゴリーのレースが開催されている。

昨年は大声援を背にフェルスタッペンが快勝

昨年2022年のオランダGPはオレンジ色に染まった地元大観衆の熱狂的な声援を背にフェルスタッペンがポールトゥウインを決めて優勝した。大方の予想通り、決勝レースはポールポジションのフェスタッペンと予選2-3位のメルセデス勢の1対2の戦いとなったが、会心のスタートを決めてレースの主導権を握ったフェルスタッペンは、早めの早めピットストップ戦略を仕掛けるメルセデスの揺さぶりにも動じなかった。

ハミルトンがアンダーカットを仕掛ける一方で、ボッタスをオーバーカットを狙うなど、メルセデスはあの手この手を仕掛けてきたが、フェルスタッペンは冷静にタイヤを労って走り、最後は余裕でトップのままゴールに飛び込んだ。

●■【参考】2021年F1第13戦オランダGP決勝 結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)72周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+20.932s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+56.460s
4位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)+1周
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+1周
6位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+1周
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+1周
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+1周
9位 31 E.オコン (アルピーヌ・ルノー) +1周
10位 4 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)+1周
・・・・・・・・・・・・・
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

タイヤを供給するピレリは「オランダGPでは最も硬い3つのコンパウンドを選択しました。それは速くて狭いコーナー、大きな減速、厳しいアップダウンが続き、とくにターン3 とターン14 のバンクではダウンフォースと横方向のGという複合力がマシンにかかります。最も硬い 3 つのコンパウンドを指名したのはこのためです。 今シーズンの新しいタイヤ パッケージはトラックでのオーバーテイクが容易になるはずです。 また、C1コンパウンドと C2コンパウンドのギャップが以前よりも大きくなっているので、ソフトな 2 つのコンパウンドに重点が置かれるかもしれません。昨年はポジションを維持するために 1ストップを選択するドライバーもいましたが、今年は2ストップが多くなると思われます。ザントフォールトはその名前が示すように、砂が地表に吹き付ける影響を受ける可能性があります」と分析している。

さて2022年はどんなレースとなるのか。第15戦オランダGPは9月2日12時30分(日本時間19時30分)から始まるフリー走行で開幕する。

●■2022年F1第15戦オランダGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:9月2日12時30分〜13時30分(日本時間19時30分〜20時30分)
フリー走行2回目:9月2日16時〜17時(日本時間23時〜24時)
フリー走行3回目:9月3日12時〜13時(日本時間19時〜20時)
予選:9月3日15時〜16時(日本時間22時〜23時)
決勝(72周):9月4日15時〜(日本時間22時〜)