かわいいイタリアンコンパクトカーのフィアット500の電動化モデルがついに上陸。早速、その走りを見るために500eを連れ出した。(Motor Magazine2022年6月号より)

シティコミューターと割り切れば、たくさんの魅力が見えてくる

世界中で好評のフィアット500。愛らしい姿で2007年の登場から15年近くが経過しているがその魅力はまったく褪せていない。そんな人気者に加わった新型がBEVの500eである。日本へ導入されたばかりだがさっそく試乗に連れ出した。

まず運転席に座り気になったのはポジションだ。ボディサイズが小さいこともあり、運転席まわりにしわ寄せがきているようで、インパネ中央下側の張り出しが大きくフットレストに足がまっすぐに置けない。ちょっと長距離を走ると姿勢が変則的なままになってしまうから辛いかもしれない。そもそも500eは、それほど長い距離を走るBEVではないが・・・。

走りはBEVらしく発進からストレスなく走るが、それでもフロントの重さを感じた。確認すると、前軸重790kg、後軸重570kg、前後重量配分は58:42である。このあたりが影響しているのだろう。気になるEV航続距離だが、取材時に確認した充電残量と走行可能距離は試乗開始時で96%=214km。つまり1%=2.23kmだった。

そのあと、高速道路中心に50kmほど走ると70%=174km(1%=2.49km)とメーター内に表示された。ここから計算すると、この走行パターンだと満充電での実走行距離は223〜249kmほどということになる。この数字や前述したドライビングポジションを考えると500eは、シティコミューターとして割り切ったほうがいいだろう。ちなみにカタログ(WLTCモード)では100%=335km(1%=3.35km)と表記されている。

また電気を消費するエアコンを使うと電池容量がみるみる減るためそれに不安を覚えたら、エアコンはぜひオフにしたい。幸い500eオープンはソフトトップを開けることができるので、走っていても実に爽快だ。気分がとてもいい。

この500eの航続距離は少ないが、それをネガだとは思わない。それを補ってあまりある可愛らしさ、デザイン性があるのだがら、選ぶ価値はあると考えている。(写真:井上雅行)

●フィアット500e Open 主要諸元

●全長×全幅×全高:3630×1685×1530mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1360kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:87kW(118ps)/4000pm
●モーター最大トルク:220Nm/2000rpm
●バッテリー総電力量:42kWh
●WLTCモード航続距離:335km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格(税込):495万円