2023年3月1日、アウディ ジャパンは、アウディ初の電気自動車「eトロン/eトロン スポーツバック」を大幅にアップデート。モデル名に電動SUV/クロスオーバー ラインナップの頂点に立つ「Q8」を付け、「Q8 eトロン/Q8スポーツバックeトロン」として発表。発売は2023年夏以降を予定している。
一充電走行距離や急速充電性能をアップ
今回発表された、Q8 eトロン/Q8スポーツバック eトロンは、アウディ初の電気自動車として2019年に発表(日本では2020年に発売)され、世界全体で約16万台(2022年末時点)を販売したeトロン/スポーツバック eトロンの後継モデルだ。モデル名に電動SUV/クロスオーバー ラインアップの頂点に立つ「Q8」が付けられた。
日本仕様は、Q8 eトロンは「50」と「55」、Q8スポーツバック eトロンは「55」を設定。「50」は2基の電気モーターで最高出力250kWと最大トルク664Nmを発生し、バッテリーの総容量は95kWh(先代比+24kWh/正味エネルギー容量は89kWh)。WLTCモードで424km(先代比+89km)の一充電走行距離を達成。「55」は2基の電気モーターで最高出力300kWと最大トルク664Nmを発生し、バッテリーの総容量は114kWh(先代比+19kWh/正味エネルギー容量106kWh)。WLTCモードで一充電走行距離501km(先代比+78km)を達成している。
50/55とも、バッテリーの総容量に対して使用可能な正味エネルギー容量を増加させ、さらに空力性能やモーターの効率アップすることで一充電走行距離を向上。55では、従来のバッテリー製造工程で生まれる電極材の隙間を、スタッキング方式と呼ばれる折り重ねるように配置する方法に変更して隙間を極力なくした。そのため先代モデルよりバッテリー寸法やモジュール数を変更することなくエネルギー密度の向上を可能としてバッテリー容量を増加した。また、同時にセル内の化学物質の配合を変更し、さらなるエネルギー密度の向上を行っている。
充電性能は、両モデルとも150kWまでの急速充電に対応することで、ユーザーに高い利便性を提供するとともに、アウディ ジャパンがポルシェ ジャパン、フォルクスワーゲン ジャパンと事業展開しているPCA(プレミアム チャージング アライアンス)のサービスや、アウディeトロン店が設置を進めている150kW急速充電器の利便性を享受できるようになる。
新しいフロントデザインやCIも採用したエクステリア
エクステリアでは、ひとめでアウディの電気自動車(eトロン)とわかる、開口の少ないシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む、新しいフロントデザインを採用。新しいコーポレートアイデンティティとして、エクステリアに採用された2次元デザインのアウディのフォーリングスや、Bピラーにモデル名を記している。
パーツには、ペットボトル由来のリサイクル原料等を使用するダイナミカを素材とするシートや、自動車の混合プラスチック廃棄物を革新的なプロセスにより再利用したシートベルトバックルカバーを採用して、環境にも細かい配慮を行なっている。このシートベルトバックルカバーはアウディが安全関連コンポーネントに初めて採用するリサイクル素材となる。Q8 eトロンにこれらの素材を使用することで、コンポーネントに使用される資源の量を削減し、効率的かつ持続可能な循環型社会の実現を目指している。
車両価格は、Q8 50 eトロン クワトロ Sラインが1099万円、Q8 55 eトロン クワトロ Sラインが1275万円、Q8スポーツバック 55 eトロン クワトロ Sラインが1317万円。いずれもハンドル位置は右のみで、駆動方式は2モーターの4WDだ。Sモデルに関しては、2023年の第3四半期以降に発表予定だ。
2033年以降は全モデルの販売を電気自動車とする計画を発表しているアウディ。日本でも、ユーザーが電気自動車を検討しやすい環境作りを行うため、2023年は全国のアウディeトロン店に既に設置されている50基の50kW-90kW急速充電器を150kW急速充電器に置き換え、150kW急速充電器を全国合計で102基にすることで急速充電ネットワークをさらに拡大していく。